2008年10月4日(土)曇り |
おやじ山の秋2008(ブラッキ&テリー)
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昨日(10月3日)の昼過ぎ、信州からOさんがおやじ山にやって来た。しかしここ何日間か秋晴れの日が続き、山もカラカラに乾いてお目当てのキノコはさっぱりである。10月初めにキノコ狩りに来る予定だった伊豆のKさんには「ダメダメ、今来ても全く無い」と断ったばかりである。Oさんにも「いくらプロでも今は全く期待できないよ」と事前に電話で伝えておいたのだが、「えへへへ、まあ無いこともないでしょう」とおっとり不敵に笑って乗り込んで来た。それで昨夜は山から下りて麓のキャンプ場にテントを張り、久々に酒飲み相手が現れたものだから、痛飲(爆飲!)した。堰(関)が切れたのである。
そして二日酔のダメージで夢の中でもがき苦しんでいた今日の明方、カミさんが藤沢の友人夫婦と犬2匹を伴ってやって来た。とても外に出て「オワヤウゴザヒマ〜ス♪」などとご夫婦に挨拶する体力も気力もなく、解放されて「ハァハァ」とキャンプ場を走り回っているブラッキーとテリー(犬の名前)みたいに、テントの中で崩れたまま口を開けて荒い息をついていた。
それでも昼前には「カァンネティワ〜ッ♪」と声を搾り出しながらテントを這い出て、皆でおやじ小屋に行った。Oさんはリニューアルされたおやじ小屋を見て「おッ!」と声を上げ、早速中に入って囲炉裏で趣味の焚き火である。Sさん夫婦はキノコ採りを諦めて小屋の脇で今季最後のミョウガ採りをしていた。
おやじ山から帰ってSさん夫婦を八方台の「いこいの森」に案内した。ここはキャンプ場から車で山道を登って30分程の所だが、山頂の広々とした森林公園である。幾分遅い時間で我々以外に人影もなく、大きな芝生の広場でドッグランを許されたブラッキーとテリーのはしゃぎようったらなかった。
「あなたの山に毎年お邪魔して、こうしてこの子ら(ブラッキーとテリーのこと)が精一杯喜こんでいる姿を見るのが楽しいんです」子どものいないS氏が私の傍らで目を細めながら言った。
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2008年10月5日(日)曇り〜夜雨 |
おやじ山の秋2008(秋の色) |
夜中の3時過ぎにパラパラとテントを叩く雨音がし、朝起きて外に出ると濃い霧である。昨夜の一雨で周囲が一気に秋らしくなった。今までだらだらと曖昧だった季節感が、ここでカチッと秋にギアチェンジした様である。
午前中に長岡に嫁いだOさんの娘さん夫婦がニコニコとキャンプ場にやってきた。老舗を継いで毎日忙しく働いている若い二人だが、今日は久しぶりの休日だという。何年か前からのOさんの指導よろしきを得て、二人ともすっかりキノコ狩りのスタイルである。それで早速若夫婦とOさん、私の4人でおやじ小屋に向った。
見晴らし広場までの途中、作業道路脇のカツラ林が一気に秋の色に変っている。久々の湿り気を葉に受けて、今日は一段と甘い飴の香りを漂わせていた。
おやじ小屋を見て目を丸くしている若夫婦を中に案内してから、Oさんは早速二人を連れてブナ平までの尾根を登って行った。ここはもう勝手知ったOさんのフィールドである。しばらくして小屋に戻って来た三人の籠の中を覗いて「!」「!」、今年はもう出ないと諦めていたウラベニホテイシメジの初物が入っていたからである。「参ったなあ〜たまげたなあ〜」さすがプロの腕と執念にホトホト感心させられてしまった。
キャンプ場に戻ると、今度はSさんが高台のすぐ下で採ったという立派なアミタケとジカボウ(ヌメリイグチ)がテーブルの上に広げられている。そしてSさんは「まだまだいっぱい残っているよ」と若夫婦を案内して採らせていた。
大喜びの二人が帰ってから皆で大湯温泉に行った。そして風呂で汗を流したあと、ここで信州に戻るOさんを見送り、藤沢に帰るSさん夫婦と二匹の犬に手を振って別れた。
カミさんとテントに戻ると雨になった。ようやくまとまった待望の雨だが、友人達と別れた後だけにバラバラとテントを打つ雨音に寂しさがつのった。
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2008年10月7日(火)曇り |
おやじ山の秋2008(キノコの収穫と森林施業) |
2日前から降り続いていたザーザー雨がようやく朝の6時前に上った。テントを這い出てキャンプ場の炊事場で顔を洗っていると、すぐ下の坂道をキノコ採りの籠を持った二人連れが大声で話しながら登っていく。二人ともかなりの年配に見受けられたが、雨が上って満を持したように軽やかな足取りである。(後日また同じ時刻にこの人たちを見かけ、「あれ!?」と思って声をかけたら、やはり1人は山芋掘り名人のMさんだった。)
ガソリンコンロに火をつけて朝食の支度をしながら高台に出てみた。そして毎年キノコの出る斜面を覗くと、あるある!しっとり湿った赤土にアミタケの幼菌がずらりと顔を出していた。ようやく本格的なキノコシーズンの到来である。
急いで朝食をとっておやじ小屋に向かう。途中の見晴らし広場でジカボウを採り、その先の山道で綺麗なウラベニホテイシメジを見つけた。
今日の山仕事は杉林の幹の太さの測定である。今までかなり乱暴に間伐や枝打ち施業をやっていたが、ある山造りの本を読んで、これからはしっかり樹木の形状比(=樹高÷胸高直径)を計算して理論的に作業しないとダメだと今更ながら心を入れ替えたのである。春先の大風で数十本の杉が折れたり倒れたりしてダメージを受け、大いに反省したせいもある。
いつもの癖(自分ではエンピツ削りと呼んでいる)で作業の前に今日の仕事とは全く関係ない小屋前の100年杉の幹に直径巻尺を回してみる。「63センチ、ほほう〜」そして次のもう1本、「59センチ、なあ〜るほど・・・」「では、その隣は・・・」と、肝心の杉林に入っての調査になかなか手が付かないのである。それでも午前に4段目までの杉林約80本を測って、「ここは間伐ではなく枝打ち中心で」などとおおよその見当をつけて回った。
午後、カミさんも途中でキノコを採りながらおやじ小屋まで登ってきた。それでこの際だと今まで手付かずだったあれこれの作業をカミさんに頼んで(押し付けて?)、自分はヤマユリの広場の草刈りに取り掛かった。
そして夜は二人ともぐったりくたびれて、互いの会話もなく冷たく更けていった。カミさんは「ワタシ、今日はとことんコキ使われました」と、まあ機嫌が悪いのなんのって・・・何年経ってもなかなかムツカシイものである。 |
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2008年10月8日(水)薄曇り |
おやじ山の秋2008(ガマズミ酒) |
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2008年10月10日(金)晴れ |
おやじ山の秋2008(「ベン・ハー」) |
6時に起きた。朝はヒンヤリ涼しいのだが、ここ数日間昼の気温が25度にもなる夏日が続いている。何やら薄気味悪い変な気候ではあるが山の作業では晴れた日は有難い。
それで明日から森林インストラクター神奈川会の人たちがおやじ山を訪ねてきてくれるので、少しでも山を整備しておこうと思った。今さら慌てて手を入れたところで砂漠にションベンで(下品な言葉で失礼しました!)全く変わりようもないのだが、まあ自分自身の気休めのようなものである。
おやじ山に入って道のすぐ右側に「楢の森」と名づけた2000平米ほどの緩やかな斜面がある。名前の通りコナラ中心の落葉広葉樹の森だが、一抱えもある太いホオノキや杉の林も混じっている。昨年の春、この森が以前と比べて随分暗くなったことに気付いてチェーンソーを入れた。50年生の太いコナラ2本と亜高木層を形成していた何種かの広葉樹を伐り倒したのである。その伐倒木がいまだ放置されたままになっていた。(一部はシイタケのホダ木に使ったけど)今日はチェーンソーを使ってそれらの玉伐りと、伐った丸太を運び出せるだけ運び出そうという計画である。
そして結果は、予想通りいくらも作業が捗らないうちにへばってしまった。玉伐りはともかく、丸太をマニラ麻のロープで括って斜面を引揚げる作業でとことん体力を消耗した。まるで昔観た映画「ベン・ハー」の奴隷仕事みたいだなあ(チャールトン・ヘストン、カッコ良かった!)、と一人で笑ってしまったが、これで腹の筋肉が弛んで力が出なくなったのかも知れない。今日もまた、この時期に出てくる嫌なカメムシが日差しに誘われてブンブン飛び回るほどの気温で、全身汗ビッショリになった。
それでも昼の休みにダッチオーブンを囲炉裏にかけて豚肉の燻製を作った。以前試しに作ってみたら実に美味く出来て、ちょっと病みつきになりそうである。
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2008年10月11日(土)雨 |
おやじ山の秋2008(八海山飲み尽くす) |
今日は遙々森林インストラクター神奈川会のSさんとTさん、それにTさんの山友達のKさんの3人が来てくれる日だが、生憎の雨模様になった。SさんとTさんはこの春にもおやじ山を訪ねて下さって、今回で2度目である。
約束の9時過ぎに長岡駅の改札口に出迎えに行くと、既に東京から深夜バスに乗って来たというSさんがニコニコと待っていた。「Maxとき」がホームに着いて大きなリュックを背負ったTさん達が降りてきた。今日からの3連休をおやじ山で過ごすテント泊だが、まるでヒマラヤ登山ほどの大荷物である。Kさんとは初対面で賑やかな挨拶を済ませて早速キャンプ場に向った。
テント場に着くとまた雨が降り出した。仕方なくキッチンテントの椅子に3人を案内して、「ずっとカラカラ天気が続いて、この雨でようやく4,5日前からキノコが出始めました」と何やら弁解するような気持ちで皆さんに説明する。「それでキノコ採りがドッと山に入って来て・・・ホラ、こんな雨の日でも、あそこにキノコ採りが・・・」とテントから見えるすぐ下の林でごそごそ探し回っているキノコ採りを指差した。「エッ!」とSさんは俄かに落ち着かない様子である。そしてSさんはこんな所でノンビリしている暇はないとばかりに「さあ、ひとに獲られないうちに早くキノコ採りに行きましょう!」とせっつくのである。
アミタケの生えている例の高台の斜面に3人を案内すると、皆もう夢中である。そしてへぎ蕎麦の昼食を摂ったあと、キャンプ場をぐるり回ってジカボウやハツタケなどを収穫してテントに戻った。
夕食時には時折激しい雨足がキッチンテントを叩きつけたが、その中で明々とガソリンランタンを灯して暖をとりながら、里芋たっぷりのキノコ汁とムカゴ飯の楽しい晩餐会となった。そして何と、この夜一晩でSさん差し入れの銘酒「八海山」の一升瓶が底をついたのである。やっぱりSさんは「酒飲(シュイン→シュンリン→森林?)インストラクター」の称号を持つ猛者だった。
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2008年10月12日(日)晴れ |
おやじ山の秋2008(サルナシとガマズミ) |
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2008年10月13日(月)晴れ |
おやじ山の秋2008(俳句と名月) |
今朝もみんなでラジオ体操をし、終わってからパイプ椅子を持って高台に出た。そして並んで座りながら、眼下に広がる稲刈りの済んだ田んぼや邑や、遠くの町並みを見ながら少しの時間を過ごした。誰かが「こんなゆったりとした時間の流れはなかった」と言う。嬉しかったなあ。
たっぷり朝食をとってから見晴らし広場まで車に乗り、もう一度皆さんをおやじ小屋まで案内する。作業道路の途中で地元で熱心に活動している森林インストラクターのMさんにお会いした。近々ここで植樹会のイベントをやるので前準備をやっていたのである。車から降りてSさんとTさんを紹介した。
見晴らし広場からおやじ小屋までの山道をみんなでキノコ目をして歩いたが、やはり今日は何も収穫がなかった。そして小屋の前で記念撮影をし、また同じ山道をぶらぶらと戻った。
キャンプ場に戻りSさん達が帰り支度を整えてから、みんなで17号線を走って湯之谷温泉郷の大湯温泉に向った。その車の中でSさんが突然「出来た!」と声を上げた。何やら携帯電話でピコピコやっていたが、今回残念ながらおやじ山に来れなかったSEさんとメールでやりとりしている風である。多分、そのSEさんからメール送信された俳句に対するSさんの返歌 <おやじ山 ランプの下でキノコ汁>(湘南の樵)
途中、越後川口の「道の駅 あぐりの里」で笹に包んだおこわ飯を買い、大湯温泉手前にある公園の「出会い橋」の上に座って包みを広げた。橋の上はポカポカと柔らかくて暖かい秋の日差しである。
大きな湯船にゆったりと浸かってから3人が帰る長岡駅に向った。途中信濃川の「妙見堰」に立ち寄ってサケの遡上を橋の上から覗き込み、午後4時少し前に長岡駅でTさんKさん、そしてSさん達を見送った。
満月の夜だった。夜中にトイレに起き、そのまま煌々とした月光に誘われて一人で音痴な歌を口ずさみながらキャンプ場をさまよっていた。
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2008年10月16日(木)晴れ |
おやじ山の秋2008(ゴマダラチョウ) |
朝起きて高台に出てみると、目覚めたばかりの西の空に満丸の真っ白な月が浮かんでいた。一晩中ニコニコ黄色く笑っていた満月が徹夜明けで疲れて顔色が失せた感じである。
おやじ小屋への「出勤」でカミさんに車で見晴らし広場まで送ってもらい、ついでに山道を小屋まで歩いてついて来てもらった。昨日みつけたナメコのホダ木を見せるためである。昨年の春、伐り倒したクルミの木にナメコの駒菌を打っておやじ池の縁に転がしておいたのだが、それをすっかり忘れていた。猛々しく伸びたゼンマイの葉でホダ木が隠れて見えなかったせいもある。昨日ハッと思い出して行って見ると、びっしりとナメコが生えていた。それでカミさんに今夜の夕食用にいくらか持ち帰ってもらった。
今日は1日中ヤマユリの広場の整備に費やした。ここは何年か前から手を入れたせいで見る見るヤマユリが増えて来た。隣の杉林から倒れ込んだ倒木を玉伐りしたり、刈ったまま放置しておいた柴や草をフォークで掻き集めたりした。
日中は気温が上ってやたらカメムシが飛び交った。珍しく昨年は少なかったが、逆に今年は大発生である。 昼の休みに椅子を出して日向ぼっこをしていると、ヒラ〜リ、ヒラ〜リと大きな蝶が飛んできて直ぐ脇の柱に止まった。翅がボロボロのゴマダラチョウである。この蝶は春・夏年2回発生する蝶だが秋のこの時期に見かけるのは初めてである。「ほほう〜」と顔を近づけても逃げるほどの体力もなく瀕死の風情なのだが、なんと卵管を頻りに柱に押し付けている。ゴマダラチョウの幼虫の食草はエノキとエゾエノキだが、その木まで辿り着けないままの産卵行為だった。弱い風にまたフワリと浮いて近くの杉の葉に止まった。「あれあれ」と近寄ってみるとここでも葉に卵管を何度も押し付けている。そしてまた風に流されるようにして下の谷に落ちて行ったが、死を直前にして執念にも似た新たな命を産む営みに何やらゾクッと体が震えるようだった。
今日もとことん消耗した。真っ赤な夕陽を体に受けて、俺も瀕死の状態で山を下った。
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2008年10月18日(土)晴れ |
おやじ山の秋2008(ベン・ハー・ツー) |
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2008年10月19日(日)晴れ |
おやじ山の秋2008(にいがた「緑」の百年物語) |
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2008年10月20日(月)晴れ |
おやじ山の秋2008(3度目の正直) |
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2008年10月21日(火)晴れ |
おやじ山の秋2008(ナラタケ防衛) |
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2008年10月22日(水)晴れ |
おやじ山の秋2008(乳の高さ) |
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2008年10月23日(木)朝小雨〜晴れ |
おやじ山の秋2008(Sさん) |
いろんな夢を見てしまったせいで、目が覚めても何やら精神疲労でぐったり草臥れてしまった。カミさんが下の炊事場の方からナラタケが大きくなったと叫んでいたが、夢の中でこの大声を聞いてうなされたのかも知れない。それで仕方なくヨロヨロとテントを出てキノコを見に行った。なる程随分成長している。地面が少し雨で湿っていてこれからますます楽しみである。
朝食が終わって炊事場で歯を磨いていると、下の道を歩いていた男性が突然私の名前を呼んだ。「え!?」と身を乗り出して下を見ると、何と日赤町のSさんである。Sさんはキノコ鑑定の大ベテランで、お会いしたのは4年ぶりである。聞くと今年会社を定年退職し、今度の休日には地元の公民館でキノコ品評会を開催するのでそのサンプル集めに来たのだと言う。懐かしかったなあ〜
おやじ小屋に出勤して今日も杉林の倒木の片付けをした。太い木はチェーンソーで4玉に伐り、末口の先の材も将来掘立て小屋でも作る時の柱材にと薪置き場まで運んだ。暖かい南西の風がずっと吹いていて日中の気温は23度まで上った。全く地球温暖化の異常気象である。
暗くなり始めたので仕事を止して尾根伝いに山を下った。キャンプ場の上の広場に来ると朽ちた立木にビッシリとナラタケが生えている。もう手元も暗くなったので明日の朝採ることにした。
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2008年10月24日(金)雨 |
おやじ山の秋2008(キノコ獲りの執念) |
昨夜から雨が降り始めた。何と10月6日以来18日ぶりの待望の雨である。昨日、山仕事の帰りに見つけたキャンプ場上のナラタケを朝起きたらすぐに採りに行くつもりだったが、「こんな雨の日の早朝にキノコ採りにやってくる気狂いもいないだろう」と寝袋に包まったままグズグズしていた。それでも山寺の6時の鐘が鳴ったのでカミさんにキノコを入れる大鍋(小鍋じゃなくて大鍋ですよ!)を持たせ、私は見事に生えていたキノコの写真を撮ろうとデジカメ持参で現場に行った。「な・な・何と!!!獲られてる!!!」長岡人のキノコ獲りの執念たるや、恐るべしである。
今日は雨で山仕事は止め、ナラタケショックを癒すために一軒宿の三島谷温泉に行って400円で湯に浸かった。
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2008年10月26日(日)曇り |
おやじ山の秋2008(きのこ鑑定会) |
午前中、おやじ小屋の下の斜面で灰捨て場を作るためにシャベルで穴掘りをしていたら、突然頭の上から「こんにちわ!」と挨拶されてビックリした。こんな山奥までめったに人が来ないのでいきなり近くで声を掛けられると驚いてしまう。カミさんにも「おやじ山に来たら俺の後ろでいきなりワッと声を出さずに遠くから先ず第一声を発しなさい」と注意してある。(それでカミさんは山の入口で先ず「ヤッホー!」と叫ぶ。知らない人は「仲がいいですね」などと言うが、とんでもない、私に心臓麻痺を起こさせないための単なる合図である)「ビクッ」と手を止めて上を見上げると品のいい老人がニコニコと笑っている。いつもは鋸山や三ノ峠山に登るのだが、今日は天気が悪くなりそうなので「はて?この道はどこまで・・・」と探検にやってきたのだという。そして「途中、山道が綺麗に草刈りしてあって気持ちが良かったです」と誉めてくれた。お茶でも出したかったが生憎今日は囲炉裏に火を入れてなく、老人も「どうぞそのままで、いや〜お仕事の邪魔をしてしまって」と帰って行かれた。
午後は先日お会いしたSさんが主催している「きのこ鑑定会」を見学に行った。公民館のロビーに大きなテーブルを置いて、その脇でSさんとAさんという女性が持ち込まれるキノコの鑑定やテーブルに広げられたキノコの解説をしていた。Aさんとは初めてお会いしたが、いろいろ話してるうちに大した女傑だと感服してしまった。遙々ロシアまでキノコ採りに行ったという話しや、神奈川きのこの会の人達をここ長岡の成願寺温泉に招いて品評会をやったという話や、今度はカナダでのキノコ探しを企画しているという話や、多分70歳程とお見受けするこの人の熱意とバイタリティに恐れ入ってしまった。
Sさんからの連絡でSさんの奥様も公民館に来られた。以前は秋のキノコシーズンになるとよくお二人でおやじ小屋を訪ねて来て下さった。奥様が自宅から持って来られた美味しいコーヒーを頂き、そして帰りには沢山のおみやげまで頂戴して公民館を辞した。
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2008年10月27日(月)雨 |
おやじ山の秋2008(ラジオ体操の曲) |
昨夜から猛烈な雨である。一晩中雷も鳴り止まず、一発(というのかどうか?)キャンプ場近くに雷が落ちた。「バリバリ!ド〜ン!」と正に耳を突ん裂くような轟音だった。
バラバラと激しい雨音がテントを打つ中で寝袋に包まって6時半のラジオ体操の曲を聴いていた。雨の日はいつもこうしてイメージトレーニングの体操である。しかし、このラジオ体操のピアノ曲、よくよく聴くと実に名曲である。そして今日の第一体操と第二体操の間にある「首の運動」の伴奏曲は「旅愁」だった。
枕の上で少し首を動かしながらピアノ伴奏に合わせて歌詞を口ずさんでみる。
「首の前後運動」♪ふ〜けゆく〜秋の夜、た〜びの空の〜
「そして首の左右」 わ〜びしき〜思いに、ひ〜とり悩む〜
「今度は首を回して」 恋〜いしや〜ふ〜るさと〜、懐かし父〜母〜♪・・・思わず泣いてしまった。
こんな伴奏曲で体操させるなんて、ちょっと罪じゃないかなあ〜
午後、やはり雨が降り続き、しかたなく川口温泉に行った。そして雨の当たる露天風呂に浸かりながら眼下に広がる魚野川と信濃川とを眺めていた。そしたら自然に朝の首の運動の伴奏曲が胸の中で聞こえてきて小さな声で歌詞を口ずさんだ。
♪ふ〜けゆく〜秋の夜、た〜びの空の〜
わ〜びしき〜思いに、ひ〜とり悩む〜
恋〜いしや〜ふ〜るさと〜、懐かし父〜母〜♪・・・やっぱりここで・・・風景が滲んでしまった。
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2008年10月28日(火)雨 |
おやじ山の秋2008(叔父の訃報) |
この秋一番の冷え込みだという。そして実家から、今朝午前3時過ぎに館林の叔父が亡くなったという知らせが入った。
(森のパンセ−その27- 「別れ」)をアップしました。
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