4月28日に再びおやじ山に来て、今日で4日目である。
いよいよ5月になった。豪雪に見舞われた越後の山にも本格的な山菜シーズンの到来である。
例年のことだが、この山菜の時期だけはカミさんがついて来る。本人は「仕方なしに旦那に付いてきてやっている」と恩を売るようなことを言っていて、おやじ山に着くなりガラリと顔つきが変わって獲物を狙う目つきになる。もうこれ以上採ってもとても処理しきれずに(山菜は採った後の手早い処理が大事である)悪くするだけだと分かっていても、中毒にかかったようになって目にする山菜を親の仇とばかりに採り続けるのである。まるで際限なく呑み続ける大酒のみのようなものだが(あっ!あまりひとの事は言えないなあ)、得てして女のヒトにはこのような傾向があるようである。
山入りの28日には西斜面の山桜はまだ蕾だったが、晴天が続いて30日には真っ白に咲き誇った。小屋の裏のシイタケのホダ木も日に日に大きくなっていくシイタケがビッシリとついている。「カタクリの丘」も見事なお花畑で、雪融け直後の所からもカタクリの幼芽が一斉に頭を出していた。
29日に、仙台にいるカミさんの甥っ子がバスと電車を乗り継いで我々のテント場に遊びに来て、「ああ、気持ちが良かったあ」と言い残して今日帰って行った。その甥っ子を長岡駅まで送って行ってから「市」(いち)をぶらついた。雨が降り出してきたが、竹棹から張り出した「市」の店の天幕の下を渡り歩きながら、そこに並べられたいろいろな野菜や果物や植木、それにフキノトウや昨年の塩ワラビなどの姿に見飽きることがなかった。
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