ヤマウルシ  山漆  (ウルシ科)

秋になるとまっ先に紅葉する。小っちゃな生えたばかりの幼木でも他の草木に先駆けて真っ赤に色付
くので「何でこんな子供のときから?」と笑ってしまう。
3才位の時、それこそ全身ウルシにかぶれたことがある。何の用途のためかリヤカーの荷台いっぱい
に真っ赤なウルシが積んであって、それが子供心に美しいと思ったのだろう、ごそごそとそのウルシ
の山の中の潜り込んでキャーキャー遊んでいた。私の乗ったリヤカーを次兄か誰かが土手の上を引い
て遊んでいたのも憶えている。
その後・・・まさにウルシのように真っ赤になって火がついたように泣き叫んだのは言うまでもない。


かぶれを起こす物質は「ウルシオール」。樹皮には樹脂道がよく発達している。樹液に触れるとかぶれるが、特に若葉のころは葉が傷つきやすいので要注意である。
体質的にかぶれない人もいる。私の友人の一人がそうで、ウルシを見つけるとわざわざ行って素手で千切って自慢するという妙な癖がある。
私はそれを見ると鳥肌がたって、まるでウルシにかぶれたようになる。

同種のヤマハゼによく似ているが、ヤマウルシの幼木は鋸歯がよく目立つ。(ヤマハゼハは幼木、成木とも鋸歯がない)
ヌルデとの違いは枝に葉状の翼がないことと、写真のように枝が真っ赤である。

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