郷里では花が咲く前の蕾を塩漬けにして杏仁香(あんにんご)と呼んで酒のつまみなどにする。実家 の庭にも1本植えてあって「あっ、ウワミズザクラ!」と言ったら、兄貴の嫁さんに「アンニンゴ だて〜じいちゃんが山から採ってきて植えたがてぇ」とつぼみの房を口に咥えて横にビッとしごく 真似をした。「ああ、やっぱり」と思った。 古事記の天の岩屋戸の神話の中に、朱桜(ははか)(ウワミズザクラ)の木で雄鹿の肩骨を焼いて 占った話が出てくる。