昨日の午後藤沢の自宅を発って、関越道の越後川口SAで車中泊。今朝8時に東山ファミリーランドのキャンプ場に着いた。夏の季節も大分遅くなってからの今年のおやじ山入りだったが、やはり夏の滞在をパスする訳にはいかない。
早速キャンプ場に小型テントを張ってから、おやじ小屋に向かった。8月2日、3日の長岡まつりの大花火も終わりお盆も過ぎて、この時期のキャンプ場や途中の山道もひっそりとして人影もない。
おやじ山の入口に立って、「只今、帰りましたあ〜!」と心の中で叫んでから、こと更ゆっくりと道脇のヤマユリの咲き殻を数えて豪華に咲き誇っただろう花姿を想像したり、ミズバショウ池の縁に植えたアヤメやノハナショウブの株を点検したりしておやじ小屋に着いた。こうして自分を焦らしながら嬉しさを長持ちさせようとする貧乏根性は幾つになっても抜けないのである。
締め切っていた小屋の窓を開け、囲炉裏に設置したストーブに火を点けた。そして小屋の外に出て、煙突から立ち上る煙を我が事のように誇らしく眺めながら、やっぱり嬉しくて仕方がなかった。
今日はおやじ小屋の住人ヒメネズミの落ちた巣を片付けたり、少し小屋の中を掃除した以外は何もせずに、折畳み椅子を出して小屋の前でずっと座ったまま過ごした。春のように鳥の囀りもなく全く静まり返った夏の緑陰だったが、時折「ピューッ、ピューッ!」と静寂を裂いて高い上空から鋭い鳴き声が聞こえてきたのは、サシバだろうか?
夕方、キャンプ場に戻ってテント脇のデッキで一人酒を呑む。酒の肴は、帰り際におやじ山で摘んだ香り高い山ミョウガ、そして眼下に拡がる稲田の風景である。