日記のタイトルが、何やら流刑地から免罪されて帰還するような響きですが、ちょっとそれに似た感じがしないでもない。 一昨日の夕方、5日間の調査の仕事を終えて大島から帰って来た。前回の利島での調査と合わせて13日間の仕事だったが、無事に終わってホッと解放された気分である。(後はカミさんとアルバイト料の争奪戦をやらないとダメなので、いささかブルーな気分が残っているけど・・・)
今回は総勢15名のメンバーで、私と同じ補助員の中には、東京大学大学院で森林科学専攻の海外からの留学生なども居て、仕事の合間にいろいろ面白い話も聞かせてもらった。しかし何よりも今回の5日間は好天に恵まれて、利島での冷たい雨の環境からは別世界の感がした。
例によって、朝6時には床を抜け出て定宿の周りを散歩した。元町港にも歩いて行ける距離に宿があって、その途中の長根浜公園にある藤森成吉の「若き日の悩み」の文学碑を見たり、何と懐かしきゴジラの石像が公園内にあったりして、その脇の看板に「ゴジラは水爆実験の影響で地底から生まれてきたと言われているが、実はここ大島の三原山の噴火口から生まれてきたのです」と力んだ調子の説明文が書かれてあって、笑わされてしまった。
さらに朝の散歩で、きれいに境内が掃き清められた浄土宗「潮音寺」にも足を延ばし、その近くにある保元の乱で敗れ大島に流された源為朝の館の跡なども観て回った。
島の森は利島と同じくヤブツバキが優先種だが、原生林にはヤブニッケイやヤマザクラ、シキミ、シロダモ、イヌマキ、それにFさんから教えていただいた「八丈イボタ」などが茂り、ある調査地点の近くには天然記念物に指定されている「シイノキ群叢」(スダジイの巨木林)があったが、見る機会を逸してしまった。
20日最終日の午後、私は岡田港から出航する熱海行きのジェット船で帰ることにした。メンバーの大半はこの船から約1時間半後に出航する東京竹芝行きである。そしてこれらの仲間の人達に大きく手を振られて熱海船に乗り込み帰途についたのである。
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