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最後の更新は7月31日

2006年7月24日(月)雨
おやじ山の夏(出発の日)

 23(日)に毎年1回7月に集まって1泊旅行する小学校時代の仲間達との同窓会から帰り、この夏おやじ山で過ごすキャンプ道具や今回計画している北アルプスの朝日岳から白馬岳の縦走コースの登山、その後山友達と行く越後三山の駒ヶ岳登山の山道具一式を車に詰め込んで、深夜2時に藤沢の自宅を出発した。
 出掛ける前にカミさんから「もう年金生活になったんだから出先であまりお金を使ってはいけない」と一杯に膨らんだスーパーの買物袋(大)を渡された。何だろう?と中を覗くと、キッチンの棚や引出し、それに冷蔵庫の奥の方にずっと以前から入っていたレトルトのカレー、誰かが病気の時に買って残ったレトルトのお粥の袋、誰も食べなかったサバ缶、割れた鳩サブレーと塩センベイ、何年も前に泊った温泉旅館の緑茶のティーパックやホテルの銘の入った紅茶パック、それからカミさん達のファミレスでの井戸端会議の帰りにカスめて来たと思われる何本かのシュガーステック、娘が買って多分忘れてしまったスパゲッティソースの袋と、よくぞまあこんなものを溜め込んでおいたものだと呆れ果てる品々が入っていた。仔細に調べれば多分賞味期限などとうの昔に切れて、年末の大掃除にでも捨ててしまう代物ではないだろうか。
「こんなものを山で一人で食ったり飲んだりしていたら、気持ちの方が沈んでしまって力が出ないなあ〜」と思わずため息が出てしまった。
 関越道を夜中走って明けてから小出インターで下りた。8月7日から予定している駒ヶ岳登山の水無川沿いのコースを下調べしておこうと思った。今年の梅雨明けは遅く雨の中を傘を差して山道の車止めから越後三山森林公園の登山口まで歩いた。水無川も雪解け水と雨水をたっぷり湛えて恐ろしいくらいに水面をうねらせている。そんな中でイワナ釣りをしていた地元の人らしい男の人が道に上がってきた。魚篭の中に10匹ほどのイワナが入っている。この人にこちら側から登る駒ヶ岳コースの状況を聞いてみる。この先のトンネルを越えた向こうの雪渓がまだ大分大きくて谷まで落ち込んでいる、という。どうもこちらからのコースは止めて銀山平側の枝折峠コースに変更した方が良さそうである。
 午後おやじ山の麓のキャンプ場に着く。傘を差して早速おやじ小屋に向かう。もう散っているかも知れないと思っていたヤマユリはまだ蕾も多く、これからが満開の時期である。今年は例年になく株が多く楽しみである。
 予定では明日から次兄と北アルプス登山だが、梅雨明け前のこの天候ではとても・・・





2006年7月25日(火)曇
おやじ山の夏(五輪平農園)

 新潟から次兄が来た。本来なら今日から二人で北アルプス登山だが、今だ梅雨明けしなくて延期することにした。それで南蒲原郡下田(しただ)村にある五輪平農園のヤマユリを見に連れて行ってくれるという。
 五輪平農園は5月にスカシユリ、そして今の時期にクリ林の中にヤマユリが群生する。あまりの株の多さに圧倒された。山中ユリの香りがたちこめてむせ返るようである。一時曇だった空が晴れて日がぱっと差すと、白い花弁にくっきりと翳が浮き出て青空にすっくと立ち上がったように見える。
 見終わって農園の詰所(受付)に寄った。そして下草刈りの時期などを質問し、おやじ山のヤマユリを育てていく参考にした。おやじ小屋の広場もいつかはこんな様になれば・・・と夢見つつ。
  





2006年7月26日(水)曇
おやじ山の夏(蓮華温泉の露天風呂)

 北アルプス登山は7月29日まで延期することにした。(結局梅雨は明けず、この後8月2日に延期した)しかし何とも中途半端な気分になっていたのでスタート地点の蓮華温泉まで行って様子を見てみよう、ということになった。まあ憂さ晴らしに温泉にでも入って来ようか、という程度の気持ちである。
 蓮華温泉の標高は1,475m、雪倉岳が望まれる宿の前庭にシロウマアサツキやカライトソウ、ヤマブキショウマなどの高山植物の植込みがあって、それらの花にシジミ蝶やヒョウモンタテハ、セセリ蝶がビックリするほどいっぱい群がっていた。
 800円の入湯料を払って先ず宿の中の内湯に入る。晴れていれば大きなガラス張りの窓から雪倉の雄姿が見えるはずである。内湯を出てから待望の露天風呂「蓮華七湯」に向かう。宿の裏から坂道を10分程登って先ず「仙気ノ湯」そしてその上の「薬師ノ湯」それから坂を少し下って「黄金湯」に浸かった。周りの山々の眺望はきかなかったが、まさに悠然とした気分を満喫した。
   





2006年7月30日(日)晴れ
おやじ山の夏(梅雨明け)

 待望の梅雨明けである。ラジオの天気予報は「今日、西日本地区、新潟を含む北陸地方(気象庁は新潟県を北陸地方の中に入れている)、関東甲信地方が梅雨明けしたと思われる」と慎重な表現で発表した。
 9時半、ドラム缶風呂を作っていただいた奇縁で仲良くなった実家近くで鉄工所を営むHさん夫婦が私のテント場まで迎えに来てくれて、三島町の「花みずき温泉」という所に連れて行ってくれた。越後平野の水田の中にあるのんびりした温泉である。露天風呂に入ると、ようやくギラギラと照りつけるようになった真夏の太陽の下で、見渡す限り一面に広がった青い稲穂が風にそよいでいた。休憩所(兼食堂)でHさん夫婦からすっかりご馳走になり、午前中からのお神酒で窓の外の梅雨明けの太陽がやけに眩しく感じられた。
 いよいよ本格的な山の作業の開始である。

2006年7月31日(月)晴れ
おやじ山の夏(小屋の広場の草刈り)

 午前中、池の周りの草刈り。午後からチェーンソーの整備とヤマユリの咲いている広場の草刈り。蜂が一匹真っ直ぐ向かって飛んで来たな、と思ったら上腕をチクリと刺された。全く見事な攻撃である。慌てて腕を絞ったがどんどん痛みが増してくる。小屋に駆け込んで薬箱からポイズンリムーバーを取り出して毒を吸い出す。何度か吸引を繰り返しているうちに少しずつ痛みが和らいでいった。(翌日、刺された腕がプロレスラーの腕のようになった)
 びっしょり汗をかいて山を下り、市営スキー場のロッジ脇にあるシャワーを借りに行く。熱いお湯も水もたっぷりと出てキャンプ生活の身には本当に助かる。帰りにロッジ内にある企業公社の事務所に寄って以前おやじ小屋を訪ねて来てくれたYさんや職員の皆さんと談笑する。
 ひと月ほど前に山の樹木が所々枯れたようだ(多分カシノナガキクイムシによるナラ枯れ被害)というYさんの話やおやじ山の天蚕の話、そして帰り際に「一昨日の中学生達のキャンプではキャンプファイヤーに参加してもらってありがとうございます」と職員の方から声をかけられて驚いてしまった。夜、少し離れたキャンプサイトで中学生と先生や父兄の皆さん50名ほどが楽しそうにキャンプファイヤーを囲んでいたのでフラフラと出掛けて行って、私も燃え盛る火を見つめていたのだ。そして何人かの生徒や先生や父兄の方に「この山はいい所ですよ!また来てくださいね」と繰り返していただけである。本当に、地元の若い人たちがどんどんこのキャンプ場に来てアウトドアーの楽しさを味わってもらいたいものである。
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