昨日待望のきのこの発生を見たからには、やはり今日はきのこ狩りをせずにはいられない。まだ幾分薄暗かったが6時にテントを這い出し、朝食の準備をしながら朝日が昇るのを待った。肌寒さがキリツと感じられて珍しく早朝から活性化している。やっぱりきのこ採りで興奮しているのかも知れない。
朝食を済ませて8時過ぎにカミさんとおやじ山に向かう。行きがけに昨日運び切れずに見晴らし広場に残したブロック6個を一輪車で小屋まで運び、小屋に着いてからは、直径20cmほどのホオノキと松の丸太をチェーンソーで切って、基礎工事の砂利固めに使う突き棒を作った。気が急いて仕事をやったせいか、または年のせいか、きのこ採りに山入りする前にやっぱり疲れてしまった。
それでも気を取り直して「よし、行こう!」とカミさんとブナ平を目指して森に入る。ブナ平まで採り登って、そこから三の峠山への尾根伝いを探して小屋に下りてきた。午前中で立派なウラベニホテイシメジを3、40本も採っただろうか?嬉しい収穫である。
正午前に小屋を後に下山した。今日軽トラを返す予定なので、再びホームセンターに行って貫板10枚と貫棒1束を買って見晴らし広場まで運び上げなければならない。帰り道、すっかりきのこ目に変わったカミさんが、道端のきのこを見つけてはいちいち後ろの方から大声で「これ毒ゥ〜? 食べられるゥ〜?」と呼び止めるものだから何度も道を行き来するハメになった。そのうち面倒臭くなって、「これェ〜?」と声が掛かった途端に「毒、毒っ!」と見もせずに答えることにした。何しろ気が急いて仕方がなかった。
軽トラを返し終わってから二人で栃尾の杜々の森までドライブした。大分遅い時間だったがレストランでコーヒーを呑み(閉店間際だったためか実にぬるかった)片付け始めた八百屋さんで塩漬けにするためのシソの実を3袋買ってテントに戻った。
夜、雨になった。テントの中で夕食。酔っ払ってそのまま寝込んでしまったが、夜中に目が覚めた。パラパラとテントに当たる雨足が強くなっている。何時頃だろう?ラジオのスイッチを入れると、NHKのラジオ深夜便のベテランアンカー宇田川清江さんがゲストの話しに相槌を打っている。ゲスト「・・・ということがあるんですねえ」 宇田川さん「はい!」、 ゲスト「例えばですね・・・」 宇田川さん「ええ!」 、この受け答えの返事が絶妙なのである。たった「はい!」と「ええ!」の2フレーズの繰り返しに過ぎないのだが・・・。感心しながらまた寝入ってしまった。
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