きのこ -森の小人たち-
 キンロク(食) 正式名:ニンギョウタケ ニンギョウタケモドキ科
 あえて昔おやじから教わった名前「キンロク」とした。それだけこのきのこには思い入れが深い。図鑑に出てくる正式名「ニンギョウタケ」とふやけたタイトルをつける訳にはいかない。
 きれいな松林に両手で採るほどの面白い形の白い塊の群生を見つけたら、このキンロクと思って間違いない。一株採って匂いを嗅いでみると、きのこ独特のいい香りがする。昔は沢山生えていて(それだけ山がきれいだった)家族総出のきのこ狩りでは必ず採れた。しかし味に苦味があってガキの頃は好きになれなかった。しかし今では・・・まさに大人の通の味である。
食べ方
 そのままきのこ汁などにすると苦味があり、人によって好き嫌いがある。私はこの苦味とコリコリとした歯ざわりが大好きである。次兄は茹でてからバター炒めにすると美味いという。私は、塩を少し入れた熱湯でさっと茹でて、そのまま刻んで「ワサビ醤油」をつけて食べる。「ウ〜ン!」と唸るほどの絶品である。
 比較的痛みの遅いきのこだが、群生に出会えば毎日これだけ食べているわけにもいかないだろうから、茹でて塩蔵しておく。


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