アスナロ  翌檜  別名:マキ  (ヒノキ科)

 作業道路脇に3本ほど生えていた。アスナロは生長が遅い木だが、写真の木は幹周りが50cm程も
ある大木である。よく杉林などに植えられて植林地の境界にしたというが、この木もその名残かも知
れない。
 この木で思い出すのは、井上靖の小説「あすなろ物語」である。冴子が家の庭に植えてあるアスナ
ロのことを主人公の鮎太に向かってこう説明するのである。「あすは檜になろう、あすは檜になろう
と一生懸命考えている木よ。でも永久に檜にならないんだって!それであすなろと言うのよ」と・・
和名も「翌檜」である。しかし水を差すようだが牧野富太郎氏によれば、これは俗説だという。

 樹皮は赤褐色、ヒノキよりは滑らかで、縦に薄く繊維状にはがれる。
 江戸時代の木曽五木の一つで、材に芳香性があり耐朽性があることから、建築材の土台などに使われる。

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