おやじ山の小高木または低木の優先樹種と言って良い。春まだ雪が残っている頃の金糸卵のような黄色い花 の時期と、この晩秋の時期の油絵の重ね塗りのような紅葉で、目を楽しませてくれる。 五箇山や白川郷の合掌造りの丸太の結束は「ネソ」と呼ぶこのマンサクを使う。春、地際近くで切って伸ば した新梢を使って一度縛ると決して弛まないという。樹皮が強くしなやかなためである。また越後の方言では 「シシハライ」と言い、昔はボエ(焚き木の柴)を束ねる「捻りッ木」として利用された。