春の山    ユキツバキ  雪椿  (ツバキ科)

おやじ山の至る所に生えている。日本海側の多雪地帯にのみ生育する低木の代表種である。
山菜採りやきのこ狩りで夢中になって山を駆け回っていて、ツバキ群落に入っての藪漕ぎだけは猛烈
に体力を消耗してしまう。枝の粘りが強くて体を絡め取られるからだが、この粘り強さが雪深い越
後の県民性を象徴しているとして、昭和41年「新潟県の木」に指定された。通年はあまり花付きの良
い花木ではないが、2011、12,16年と深紅の花を枝いっぱいに咲かせて目を楽しませてくれた。
とりわ
け2016年のユキツバキの花色は例年になく濃かった。









さらに一言
 ユキツバキの分布は東北地方から北陸の日本海側の多雪地帯である。花の咲く時期は3月末から6月ころで、雪椿だから冬に咲くと思ったら大間違いである。
 この木の高さはせいぜい2mで株立ち状に生え、冬に雪の上に頭が出ることは無い。(太平洋側に咲くヤブツバキは樹高が5〜6mになり花期も12月〜4月頃のほぼ冬季である)
 また、ユキツバキはヤブツバキに比べ、葉も花びらも質が薄く花糸が黄色い。(ヤブツバキは葉を陽に透かしても殆ど光を透さないが、ユキツバキは陽に透かすと葉脈が見える)

 新潟県の日本海側にはヤブツバキの生息域もあるが、ユキツバキとヤブツバキの中間種(ユキバタツバキ)が生える。
 ユキツバキとヤブツバキの花の特徴的な違いは以下の通りである。
ユキツバキ:花弁は平開し雄しべは黄色。花糸は基部のみ合着する。
ヤブツバキ:」花弁は平開せず、雄しべは白色。花糸は下半分が合着して
筒状になる。
ユキバタツバキ:上記の中間的特徴


      ユキツバキ

    ユキバタツバキ

    ユキバタツバキ
---- 春の山 --------