おやじ山の自然 山の仕事道具 斧

 斧には写真のような3本線と4本線の筋が入っている。斧の「三気」(みき)と「四気」(よき)である。
一般的には「流し目、脂抜き」と呼ばれているが、山で大木を伐採する杣人たちは、この七本の筋「7つ目」
が山に棲む魔物に対して法力を放ち、危険を防止させる護符(三本筋を「ミ」、四本筋を「ヨ」として
「ミヨケ→身避け・魔除け」)、伐採する大木の霊に捧げる呪文であるとも考えた。
そして「三気」は三本の気で御神酒(おみき)とかけ、与岐の「三気」面を伐採する樹木の幹のもたせかけて
「これから木を伐らせてもらいます。よろしくお願いします」と杣人は手を合わせるのである。


一般に刃先の狭いものを斧又は与岐(よき)、
刃先の広いものを鉞(まさかり)と呼ぶ。

武田刃物工場(岡山県新見市)武田松水 作 重量:約1.5kg
割斧又は与岐(よき)と鉞(まさかり)

 三気:陰陽五行節の「三合の理」に
つながると考え、三合は生物の栄枯盛
衰を「生(せい)・旺(おう)・墓(ぼ)」と表
現するもので、この三つを具備しなけ
れば万物は輪廻転生(りんねてんしょう
)を行い得ないと説く考えである。

 四気:樹木が育つ四つの源、「地・水
・火(太陽)・風(空気)」の4大元素を表
している。



手斧(手ヨキ)

刃渡り:9p
柄長:45p
重量:600g








武田刃物工場
(岡山県新見市)
武田松水 
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