初夏の山   サルナシ  猿梨 別名:シラクチヅル (マタタビ科)

つる性の木で、秋この実を食べたら二度と忘れられない。キウイフルーツの味など足元にも及ばな
い。果実が梨に似ていて猿が食用にすることから「猿梨」であるが、越後では「コクワ」と呼ぶ。
この地方名も果実につけた名前である。
「猿酒」とは猿が岩のくぼみにサルナシの実を集めて発酵させたものらしいが、越後人が作るこの
実の果実酒も実に美味である。サルナシの蔓はじょうぶなので、農作業のもっこやかんじきの材料
とした。時期におやじ山に入れば見つけられる。そして楽しみに秋を待てばよい。








さらに一言 
別名の「シラクチヅル」の語源は、「マシラ(猿)口蔓」が訛ったのではないか、という説がある。
雌雄別株。左の写真は両性花で放射状に広がった花柱がよく目立っている。
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