ケキブシ  毛木五倍子  (キブシ科)

まだ、雪が消え残っている冬枯れた茶色い山肌に、枝いっぱいに長い花穂を垂れ下げて、春の到来
を告げてくれる。まさに早春の陽にキラキラと輝き揺れるカンザシである。
太平洋側に分布するキブシの変種で、主に日本海側に分布し、葉の裏の脈上に毛が生えている。
この枝の白い髄は燈芯として用いられ、越後では「髄の木」と呼ばれている。


さらに一言
果実がタンニンを多く含み、五倍子(ふし:インキの原料や、昔の婦人の歯染めに用いた)の代用にされたので、「木五倍子(キブシ)」の和名がつけられた。
また、子ども達は、この枝の白い髄を突き出して遊んでいた。