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おやじ山の春2018


2018年3月12日(月)晴れ
おやじ山の春2018(山入りの日)
 昨日長岡入りしたが、昨晩は地元の森林インストラクターMさん主催の会合に出席して市内のホテルに泊まり、いよいよ今日からおやじ小屋泊まりである。

 9時過ぎにホテルをチェックアウトして、スーパーで2ℓの水半ダース、当面の食料(昼食の弁当とアルミに入った鍋焼きうどん2個、酒とビール)などを買い、さらにクロネコヤマトのセンターに車を走らせて、センター停めで岩手九戸の炭屋さんに頼んでおいた木炭15kgを車に積み込んでおやじ山に向かった。麓にある長岡市営スキー場のスキーロッジの事務所に伺ってK場長に挨拶して、早速75ℓのリュックに寝袋、テント、食料をぶち込んで1回目の荷揚げである。
 スノーシューを履き、ストックを手にして自然観察林内の最短距離の急尾根を喘ぎ登る。ここまでの積雪は約1mか。途中何度かリュックを下ろして息を整え、見晴らし広場まで1時間半かけて登る。今日は絶好の荷揚げ日和で、見晴らし広場からは眼下に広がる越後平野や長岡の街並が白一色の雪景色で春日に輝いていた。

 毎度のことながら、重いリュックを背負いながらも山入りの初日は嬉しくて仕方がない。見晴らし広場からは一気に積雪が増えたが、小屋までの距離を50分ほどかけて胸弾ませながら歩いた。

 おやじ小屋に着いて荷を下ろし、うららかな日差しを受けながら外で弁当を食べる。
 午後、2回目の荷揚げで大型リュックに木炭と水をそれぞれ半分づつ詰め(これでもずっしりと重くなった)同じルートで小屋に運ぶ。

 夜は囲炉裏で贅沢に炭を熾して酒を呑みながら鍋焼きうどんを食った。今日一日で雪道を5時間近く歩き、2往復したお蔭で腹が減って鍋焼きうどん2個食べてしまった。20時、キャンバスベッドに寝袋を敷いて潜り込む。下の杉林でフクロウが小さく啼いた。嬉しい~!
2018年3月13日(火)晴れ、最高気温20℃
おやじ山の春2018(雪中の彩り)
 今朝のラジオが「今日の気温は20℃まで上がり4月中~下旬並み」と報じて7時半に山を下りた。今日は車に積んできたクーラー2個の荷揚げである。青物野菜などは外に作った雪室で保存するが、スーパーで買った生ものや食料品はクーラーの中にしっかり入れておかないと小屋でウロチョロするヒメネズミや外で跋扈するテンなどに狙われそうで不安である。

 午前中は自宅から持参した味噌、醤油などの調味料入りの青クーラーを荷揚げし、再び山を下って街の食堂で昼食を摂り、スーパーで数日分の食料をまとめ買いして2個目のクーラーに詰め込んで背負子で運んだ。

 今日はまさに春本番の陽気で、白雪の中に咲いた金糸卵のような純黄のマルバマンサクの花(昨年に比べ花付きが良い)や膨らみ始めた鼠茶色のオオカメノキの冬芽を写真に撮って、歩荷の疲れを癒しながらの道中だった。

 夕食は鶏肉、大根、白菜、ゼンマイを煮込んだ自慢の雑煮を作り、ちょっとお洒落な赤ワインで一人宴会のオクターブを上げた。
 荷揚げでクタクタに疲れた上に呑み過ぎて、殆ど前後不覚で寝袋に包まっていた。やっぱり・・・ねぇ~。
 
2018年3月15日(木)晴れ
おやじ山の春2018(山の見回りとムササビ巣箱)
 嬉しい晴天である。そこで今日はムササビ君の巣箱を取り替えることにした。
 小屋の南斜面(山桜の斜面と呼んでいる)に大きなホオノキがあり、その木に何年か前に小鳥用の巣箱を掛けたら青ゲラがいたずらして穴を大きくし、これ幸い(と思ったかどうか?)そこにムササビが棲み付いた。ムササビとしては随分窮屈な棲家の筈で、時々巣箱の穴から尻尾が垂れたりしていた。これでは可哀想だと、2年前に木工細工が得意な友人のご主人にお願いしてムササビ仕様の立派な巣箱を作ってもらい、別の木に掛けた。ところが、この新居にいつまで経ってもムササビ君が移った気配がない。そこでホオノキに掛けた巣箱を外して、別の木に掛けておいたムササビ仕様巣箱を同じ場所に取り付けることにした。

 急斜面で掛ける位置も随分高いので作業は慎重を要した。雪面に2段梯子をしっかり差し込んで固定し、ヘルメットと命綱を付けての取り替え作業だった。作業は無事終わったが、果たしてムササビ君が気に入ってくれるかどうか・・・。

 そして今日は一日、ゆっくりとおやじ山の見回りをした。4月22日には恒例のカタクリ観賞会を神奈川の森林インストラクターの仲間達を呼んで実施するので、カタクリ広場の積雪の状況も気になっていた。根開きした大木の穴の深さから推測して・・・当日はドンピシャリの見頃時期と読んだが・・・

 夕方から急に空気が冷たくなる。
夜、遠くでフクロウの声・・・。
2018年3月16日(金)雨、気温一気に下がる
おやじ山の春2018(車中泊)
 朝、日赤町のSさんから電話。「寒(さむ)なったから、気ィ付けてね。塵溜まったらウチに持って来てね」。有難くて思わず電話にお辞儀する。
 午前中、雨で小屋に閉じこもっていたが昼前に下山。そして以前Sさんに教えていただいた日帰り温泉に行くことにした。石地海岸近くにある日本海を望む町営「雪割草の湯」(500円)である。

 殆ど大名気分で一人湯に浸かり、客も疎らな休憩室で夕方近くまで過ごした。そして常時車を置かさせてもらっている麓の市営スキー場の職員用駐車場に戻った時には、もう暗くなって、おまけに氷雨である。今夜は車中泊と決め込んで酒を呑む。フロントガラスのずっと向こうに長岡の街の灯が雨に煙って、何やら物哀し。
 
2018年3月17日(土)晴れ
おやじ山の春2018(兄弟)
 車中泊でウトウトを繰り返しながら、久しぶりに子どもの頃の家族の夢を見た。懐かしいおやじの姿や、昨年10月に死んだ兄貴の顔や、新潟に住んでいる次兄が夢に出て来て、目が覚めて少し泣いた。それで次兄に電話して、「これから顔見に行くがいいか?」と言うと、「いいよ」との返事だった。両親はとっくの昔に亡くなり、兄弟3人になり、兄貴が昨年死んで次兄と2人きりになり、堪らなく兄弟で会いたくなった。

 新潟まで高速道路に乗って車を飛ばし、次兄の家で昼過ぎまで過ごした。午後6時過ぎ、おやじ小屋に戻る。留守中に宮原のSさんがこの雪の中小屋まで訪ねて来てくれた様子で、有難い飲料水の差入れが置いてあった。
2018年3月18日(日)晴れ
おやじ山の春2018(凍み渡り)
 午前4時、小屋のすぐ近くでフクロウが大きく啼いた。いよいよ巣箱で産卵か!

 朝の気温はマイナス2度である。こんな日は凍み渡り(雪の表面が固く締まってドブらずに自由に歩ける)で山回りができる絶好の日和である。小屋向かいの山菜山の斜面が、日が昇るに従って銀白の白さが際立ってくる。

 杉林を丹念に歩き回ってゲストハウスのログ材に使う立木を吟味し、約20本を伐倒用にマーキングした。夏は藪になって踏み込めない下の黄土沢沿いも、凍み渡りで行ってみると、谷底に大きな雪崩の雪塊が見事に積み重なり、沢向うの斜面をノウサギが疾駆し、テンやキツネの足跡も縦横に走っていた。


 今日は早めに仕事を切り上げ、夕食の準備をする。豚肉を使った肉野菜炒めと味ご飯を作った。
2018年3月19日(月)冷たい雨
おやじ山の春2018(墓参)
 朝起きると冷たい雨で、向かいの山菜山もはっきり見えない程の濃い霧である。今日の山仕事は止めて、昨18日に春のお彼岸入り(彼岸の中日は21日)したので、墓参りに行くことにした。

 川口道の駅「あぐりの里」の開店と同時に、ここでチューリップの花束を買い(ついでにパック入りフキノトウも買って)実家近くの託念寺に行った。墓地にはまだ雪が多く残っていたが、幸い当家の墓は外れの通路脇にあって、土台は雪に埋もれていたが上の墓石は顔を出していた。墓参を終えてお寺の境内まで戻ると、バッタリ外出先から戻られたご住職様にお会いした。改めて兄の葬儀の際に格別にお世話になったことや、このホームページをご覧下さって感想を寄せていただいたことなどの御礼を申し上げて、しばしの時間親しくお話しをさせていただいた。

 日赤町のSさん宅に寄り、山で溜まった塵を預け(山暮らしで全く辟易するのは、何と現代生活は無駄な塵を出すようにできているか、である。スーパーで買った商品のプラスチックトレイ、サランラップ、レジ袋、ペットボトル等々、昔の新聞紙や経木で包んだ時代が懐かしくなってしまう)、お昼をご馳走になり、帰りには夕食の弁当まで頂いてしまった。

 午後4時、小屋に戻る。
2018年3月20日(火)朝小雪(-2℃)~曇り
おやじ山の春2018(同年齢杉伐倒)
 朝、細かい雪が降って寒かった。池にクロサンショウウオの卵嚢が付いて今年の初産卵である。
 気持ちを奮い立たせて小屋を出る。今日はゲストハウス建築のログ材に使う杉の木の伐倒である。
 今日倒す予定の杉は、おやじ小屋の裏にある高齢級杉で、先ず2段梯子を掛けて幹の出来るだけ高い位置にロープを掛け、倒す方向にロープを長く引っ張って別の木の幹に縛りつける。後は受け口(倒す方向の楔型の切れ込み)を伐り、追い口(受け口の反対側から水平に伐る)を伐って倒すのである。ここでの技術は「ツル」(受け口と追い口の間の間隔)をいかに上手く作るか、である。狭すぎると(つまり追い口を切り過ぎると)一気に倒れ危険で、広すぎると倒れない。ツルの幅が一定でないと思わぬ方向に倒れる。要は「ツル」とはゆっくり安全に倒すための緩衝材である。

 「ドッシ~ン!」と倒れた!先ず切り株に酒を注いで「伐らせていただきました。ありがとうございました」と頭を垂れて杉の木に感謝の意を表し、それから年輪を数えて樹齢を調べてみた。72~74歳!何と俺の年齢とほぼ同じ年である。俄然愛着が湧いてしまった。胸高直径は32cm、樹高は24mあった。

 午後3時~、蓬平集落センターで猿倉緑の森の会の集会に参加。これから村を背負って行くだろう地元温泉旅館の若い後継者のTさん、Mさん、それに太田小中学校の教頭先生なども出席されて有意義な集会だった。
 集会が終わってN代表のご自宅でご馳走になる。帰りは奥様の運転でスキー場の駐車場まで送っていただいた。ありがとうございました。
2018年3月21日(水)曇り
おやじ山の春(同年齢杉2本目伐倒)
 今朝池を覗くとクロサンショウウオが2度目の産卵をしていた。
 午前中にやはり小屋の裏にある高齢級杉を伐倒した。樹齢72~75年、胸高直径24.2cm、樹高22m。切り株に御神酒を注いで感謝する。
(写真上段左から:①梯子を掛けて幹にロープを掛ける。②倒す方向に長くロープを引いてウィンチを付ける。③伐倒した株に御神酒を注いで感謝(ついでに自分も一口呑む)下段:年輪を「1,2,3・・・72,73」と数えて樹齢を調べる。)


 昼、猟師のSさんが珍しく若い女性を連れておやじ山に入って来た。いつ来ても第一声が「新しい小屋、まだ出来ねかね」とニコニコと話し掛ける御仁である。Sさんは俺より余程歳が上にもかかわらず、タフで頑強そのもので、東山はもちろんその奥の奥のまた奥の山々まで熟知している。「これがここにあり」「あれがあこにあり」と思わず「エ~ッ!!」と絶叫するほどの異話、珍話がポンポン飛び出てくるのである。「ワタシSさんにくっついて行って、いろいろ教えてもらうの」と若い女性は言っていたが、こんな生字引にくっついて行ったら面白いに違いない。しかしくっつく方も余程タフでないとねえ・・・。
2018年3月22日(木)氷雨
おやじ山の春2018(越後の人間は・・・)
 朝方、外は雨。寒くてホカロンを何枚も体に貼って寝袋に包まっていた。戸口で呼ぶ声がしてドアを開けると、昨日のSさんである。そして背負ったリュックの中から特大の焼酎のペットボトルに詰めた飲み水を出して、「ほら、持って来たて」と言うのである。確かに昨日、Sさんから「何か欲しい物あるかね」と聞かれて、「飲み水」と答えたが、こんなに早く、それも氷雨降る雪山を登ってわざわざ飲料水を運んでくれるとは思わなかった。それにお彼岸のおはぎも添えて・・・。越後の人間は、どうしてかくも底なしに馬鹿親切なんだろう!と思わず涙が出てしまった。
2018年3月24日(土)晴れ
おやじ山の春2018(カタクリ広場の一番芽出し)
 何日か寒い冬日が続いて、ようやく春の日差しが訪れた。起きがけに、カタクリ広場の積雪具合の検分に行く。毎年一番早く雪融けが進む窪地がポッカリ空いて、早くもカタクリの新芽が顔を出していた。

 朝飯をかき込み勇躍チェーンソーを鷲掴んで外に出る。今日はおやじ山入口に立つ32年生の杉の伐倒である。
 ほぼ完璧に目標位置に倒して気分を良くし、今度はキノコのホダ木用のコナラの伐倒である。できるだけ通直な高木を、と欲をかいたのが災いした。倒す位置が狂って架かり木になってしまった。広葉樹の架かり木を一人で処理するのは大いに危険で、残念、そのまま放置することにした。
 早めに仕事を切り上げて、ゆっくり夕食の支度にとりかかる。

2018年3月25日(日)晴れ
おやじ山の春2018(雪割草とフキノトウ)
 毎日夜中の3時過ぎに啼くフクロウの声が弱々しくて心配していたが(おやじ山のフクロウも齢とったのかも知れないなあ~)、今朝の3時過ぎには「ゴロスケ・ホッホ!」と大声で啼いて、嬉しかった。

 朝、ストーブを焚きモチを焼いて食べる。朝の空気が放射冷却でキリッと締って実に気持ち良い。シュラフをロープに干し、午前中はチェーンソーの整備と小屋前の百年杉の根元に雪割草を植え付けた。ちょっと身近な景色に色を付けて、春を早く見たかったからである。

 昼、小屋前に折り畳み椅子を出してカップ麺で昼食を摂る。何ともうららかな日和で絶好の日向ぼっこだった。カスミザクラの木に葉が展開しない今の時期だけ望める谷越えの尾根の登山道を、スノートレッキングを楽しむ登山者が一人、また二人と見えた。よくよく観察すると、何故か少し前屈みに歩くスタイルが皆同じく見えて面白かった。

 下の谷に下りてみると、谷沿いにウサギに齧られたフキノトウが生え、今年初めて見るカタクリが1株、キクザキイチゲが数株咲いていた。カタクリ広場の一番窪地の芽出しも旺盛である。

2018年3月28日(水)晴れ、最高気温21℃、全国的にこの春の最高気温
おやじ山の春2018(千客万来)
 ここ数日暖かい日が続いて、昨日は20℃、今日は21℃まで気温が上がった。今まで雪に埋もれていたおやじ山の入口のお地蔵さんも、昨日雪衣をすっぽり脱ぎ、小屋の上の南斜面で、今日カタクリとキクザキイチゲが初開花した。

 こんな日は仕事も絶好調で、午前中に32年生の杉を3本、午後もSさんが訪ねてきてくれて加勢してくれ、3本の杉を伐り倒した。

 午前は11時頃に休憩をとり、小屋の前で休んでいると、谷越えの登山道で立ち停まってこちらを窺っている二人の姿がある。「はて、誰だろう?」と目を凝らすが小さすぎて見当がつかず、「まあ、いいや」と大きく手を振ってみた。すると何と!二人は「ドドドドッ」と登山道を外れて斜面を下り、こちらに突進して来た。そして5分も経たずに小屋まで来た。な~んだ早い筈で、鉄砲撃ちのSさんとSさんにくっついている若いT女である。ここで俺も昼飯にして、Sさんからおにぎりを恵んでもらって食った。

 二人が去ってから宮原のSさんが来た。こんな山奥の小屋では1日2組でも千客万来である。Sさんからは2ℓの水2本、ビール半ダース、ノンアルコールビール半ダースと、有難い重たい歩荷の差入れを頂戴した。
2018年3月30日(金)晴れ
おやじ山の春2018(ウグイス初啼き、花木一斉に咲く)
 ここ数日の好天で、今日は早春の花木が一斉に開花した。そして嬉しいことに、「ホ~ホケキョッ!」とウグイスの初啼きが雪の残るおやじ山に木霊した。

 朝は放射冷却でギンギンに冷えて(小屋の中で1℃)シュラフに包まったままNHKラジオ「源ちゃん(作家の高橋源一郎)の現代国語、アーサー・ビナード著『知らなかった僕らの戦争』を聴いていた。しっかりメモして「この本は読まなければ」と思った。

 「エイッ・ヤ~ッ」と気合で寝袋から出てカタクリ広場の確認に行く。既に雪融けの一番窪地は爆発的なカタクリの芽出しで、今朝は2番穴が開いていた。これからカタクリの芽出しから開花、萎花、結実、夏眠までを記録していくつもりである。

 11時下山。来月実施のカタクリ観賞会前日に来訪する神奈川森林インストラクターの仲間を泊める、越後川口木沢の「やまぼうし」の下見に行く。
 下山途中では早春の名花タムシバが純白の蕾を綻ばせ、オクチョウジザクラが一斉に咲き、雪融けの大地にはショウジョウバカマが咲いた。そし木沢集落に向かう道路からは、越後の名山、八海山、中の岳、越後駒ケ岳の三山の峰々が白く輝いていた。

 車に積み残していた木炭を背負って、6時半、小屋に戻る。夕飯は昨日初採りしたフキノトウとホダ木から摘んだシイタケを味噌油炒めにして食った。旨かった。
2018年3月31日(土)晴れ
おやじ山の春2018(コゴミ出る。早春の到来)
 朝の気温-1℃。寒い!
 午前中、凍み渡りでおやじ沢に下りてみると、早春の山菜コゴミが出ていた。早速摘んで夕食用のおかずにする。早く雪融けした窪地にカタクリやキクザキイチゲも咲いていた。

 日中の気温は16℃まで上がってカタクリ広場は3番穴まで開いた。この広場のカタクリは未だ咲かないが、おれが最も好きな、おやじ山の早春の季節の到来である。
 雪融けにつれて小屋の周りの雪の上に冬の間に落ちた杉の枯れ葉がどんどん溜まり、今日一日中、集めては焚火で燃やして処理した。


「4月日記」に続く