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2014年8月17日(日)晴れ
8月の言葉から
<映画作家 大林宣彦>
 『生き物には種を保存しようとする本能がある。それにつながる行動をおいしい、美しいと感じる力がある。憲法の前文や9条を朗読すると涙が出るほど美しいでしょう。それは僕が、戦争で亡くなった兄さんや叔父ちゃんを覚えているからだけじゃないと思う。人類が生き残るには、日本の憲法を美しいと思う感性を大切にすべきだと思います』

<「小さいおうち」の著者 作家 中島京子>
 『1923年が関東大震災の年。2年後に「治安維持法」が成立、3年後の改定を経て、戦争へとなだれ込んでいく昭和の時代の思想弾圧に猛威を振るった。「関東大震災」と先の「東日本大震災」を、「治安維持法」と「特定秘密保護法」を引き比べて、今は昭和史で言うと、どの辺にいるのかと・・・。そして7月に閣議決定で憲法解釈の変更がなされ、行使できるとされてしまった「集団的自衛権」が「特定秘密保護法」施行下で使われたら、日本は歯止めのない武力行使の時代に突入することが、理論上ありえることになる。』
 『いちばん心配なのは、現実の日本の人々を支配する無関心だ。大変な数の主権者が、投票に行かず、選挙権を放棄している。そのことによって、明らかに自分自身を苦しめることになる政策や法律が国会を通ってしまっても、結果的にそれを支持したことになると気づいていない。大事なのは、関心を持つ状態こそ「日常」化させることではないでしょうか。日本国憲法第12条には書いてある。「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によってこれを保持しなければならない』

<原爆詩朗読を続ける女優 吉永小百合>
 『「さようなら原発」と私は声を出していきたい。みんなの命を守るために、今止めましょうと。今の政治の流れはとても怖い。大変なことになりそうな気がしているんです。一人ひとりの権利を大事にし、しっかり考え、自分はどう思うかを語らなければいけない』

<長崎市平和祈念式典で「平和への誓い」を読み上げた被爆者代表 城臺美彌子(じょうだいみやこ)>
 『今、進められている集団的自衛権の行使容認は、日本国憲法を踏みにじった暴挙です』
 『日本が戦争ができる国になり、日本の平和を武力で守ろうというのですか。武器製造、武器輸出は戦争への道です。いったん戦争が始まると、戦争が戦争を呼びます。歴史が証明しているではありませんか』

<長崎市長 田上富久 「長崎平和宣言」>
 『長崎では、若い世代が、核兵器について自分たちで考え、議論し、新しい活動を始めています。高校生たちが国連に届けた核兵器廃絶を求める署名の数は、すでに100万人を超えました。その高校生たちの合言葉「ビリョクだけどムリョクじゃない」は一人ひとりの人々の集まりである市民社会こそがもっとも大きな力の源泉だ、ということを私たちに思い起こさせてくれます』


 職業軍人だったおやじが、終戦によって国鉄の線路工夫になり、真夏の操車場で真っ黒になって一輪車を押していた姿を思い出す。今日と同じ、うだるような夏の日だった。