「磐司山荘」の庭は、朝起きて縁側のカーテンを開けると、真っ白だった。
宿からヤカンのお湯を貰ってX-TRAILのフロントガラスにかけ、雪道を出発する。Kさんは雪景色にすっかり感動した様子で「いいですねえ!綺麗ですねえ!」と運転しながら頻りに繰返す。
1点目の調査地は、大東岳(1366m)のカラマツ林で、「クマ注意」(熊の足跡も見た!)の白い穴戸沢林道を走れるだけ車で進み、そこからは鹿打林道(大東岳の表コース)沿いに雪の着いた渓の厳しい沢歩きだった。GPSでは乗り捨てた車からの直線距離は1.2Kmのポイントだったが、因みに携帯電話の歩数計で測ると、往復で7,300歩とカウントされていた。
今日からの宿は仙台市内のホテルである。
その帰り道の赤信号で停まった時、「あれっ?」と目についた看板がある。
「仔ね子さしあます」と書いてある。これ程大胆に子猫を愛らしく、そして文字省略した表現にすっかり心を打たれてしまった。世の中、これでいいのだあ〜!
夜、食事でホテルの外に出ると凄い人並みである。その人混みの中を、青葉通りから一番町に向って歩き、振り返ると、仙台駅の真上に大きな満月が出ていた。今日はKさんから教えられた皆既月蝕だというが、見られる時間は深夜の11時58分頃だという。残念ながらへとへとの身体をベッドに沈めている時間である。
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