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食の暮らし（水穴にて）

山菜の宝庫、おやじが「水穴」と呼んでいた場所である。しかし、辿り着くまで大変な場所である。よくガキの時分の俺を、おやじはここまで連れて来たものだと感心してしまう。一面のコゴミ畑で、その中に太くて柔らかい上質なワラビが生える。立派なウドやゼンマイも採れて、大汗をかいた後に一服して向かいの鋸山を望むのである。