おやじ山には多い木で、マルバマンサク同様雑木林の中で代表的な低木層を形成している。山の手 入れでは除伐の対象木だが、伐ると実に良い香りがする。昔の山仕事ではクロモジの小枝を折って 口に入れ、英気を養ったと言われている。この芳香はリナロールなどの精油成分を含んでいるため である。高級爪楊枝の材料だが、長岡では「トリコシバ」と呼んで、昔は生木で燃える焚き付けに 利用していた。秋には艶のある見事な黄葉となる。