ヤマグワ  山桑  別名:クワ  (クワ科)


雪の被害に遭った杉を切り倒したりクリタマバチにやられたヤマグリを伐った跡地に日が当たるよ
うになると、ヤマウルシと一緒にいの一番に乗り込んでくる先駆樹種である。写真の赤い実は次第に
黒紫色に熟して子どもたちのおやつになる。
小学生低学年のまだガキの頃、学校帰りの途中に農業高校があり、この敷地内に広い桑畑があった。
この畑の中に潜り込んで紫色になった桑の実を頬張るのが学校帰りの楽しみで、夢中になると桑の森
の中で方向感覚がなくなり、出口を求めて半ベソをかきながらうろつき回ったものである。そして口
の周りを真っ青に染めて家に帰り、何食わぬ顔で「ただいまあ!」と言ってはバレて叱られたもので
ある。


かつては養蚕のために広く栽培されていたものは「マグワ」で中国原産である。
ヤマグワの葉は切れ込みのないものから3〜5深裂するものまで変化が多い。
材はきめが細かくて細工しやすいので家具材や器具材に利用するという。

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