おやじ山の自然 おやじ山風料理レシピ・春

おやじ山で採れるきのこや山菜を使って、山の中で豪快に作って食べるレシピ紹介です。
昔懐かしいおふくろの味や、野趣溢れるおやじの手料理を思い出して書いたものですが、「こだわり」の
部分は俺自身の郷愁だと思って、どうか大目に見て下さい。

フキノトウの出汁醤油漬け(おひたし)

材料フキノトウ、出汁醤油、みりん
材料 材料

おやじ山で採った雪融け直後のフキノトウ
たっぷりと雪融け水を吸って、まさに萌黄色のフキノトウである。

サッと茹でて・・・

冷水に晒し、よく水気を切る。
 何といっても春一番の酒菜はこれである。一日の仕事を終え、朝摘んだばかりのフキノトウを酒菜(肴)(さかな)に日本酒を呑む。するとどうだろう。身体いっぱいに春が弾けて、「♪春が来た」のメロディが自ずと聴こえてくるようである。

 おやじ山の3月、まだたっぷりと「はだら雪」が残る山菜山の斜面で、雪融け直後の大地から顔を出すのが、春の到来を告げるフキノトウである。雪融け水をたっぷり吸い、春の日差しでようやく萌黄色に色付いたばかりのフキノトウを摘んで小屋に帰り、うきうきと料理にかかる。
 なに、料理などと大げさに構える必要はない。ざっと水洗いして泥を落とし、均等に茹るように大きい株は2等分程に切って熱湯に入れる。

 茹であがったら冷水に5~10分ほど晒して、笊に取って水を切って置く。
 
 次に、出汁醤油(昆布つゆなど)1に対し、みりん1の割合で漬け汁を作り、一煮立ちさせる。

 煮汁が冷めたら水を切ったフキノトウを浸して、夕方、一人酒宴が始まる時間には格好の酒の肴や晩飯のお菜に仕上がっている筈である。
材料 材料

 くれぐれも茹で過ぎないこと。冷水に晒し過ぎないことである。フキノトウの命は「ほろ苦さ」である。ほろ苦さこそが、この料理の要諦である。
 文豪開高健がいみじくも言ったが、『味には五味(甘み・酸味・塩味・苦味・旨味)というものがあるが、もし<気品>ということになれば、山菜の<ほろ苦さ>に優るものはないであろう』と。(左の写真は、いつもお世話になっているSさん宅にお呼ばれした時のものである。)