日本点景ー四国地方                            


小藪温泉(愛媛県大洲市)
 「え?これが旅館?」と宿の前に着いたが、どう見ても普通の民家である。宿の看板も控えめで
場末のスナックの小さなネオン程しかない。おそる恐る玄関の戸を開けて「こんばんは・・・」と声を掛
けた。そして外観とは雲泥の差の立派な渡り廊下を通り、「こちらです」と案内された部屋に入ると、
「・・!」堂々とした客室である。夕食は、この宿の常連だという老ご夫婦と一緒に囲炉裏を囲み、源
泉掛け流しの風呂も、文句なしに良かった。翌朝、チェックアウトで帳場に寄ると、「登録有形文化財・
文化庁」の看板が目に入った。なるほど、外観だけで判断してはいけないのだな、と悟らされた次第
である。