へばりつく村（愛媛県久万高原町）

この日の仕事を終えて山を下ると、眼下には家々の屋根がずっと麓の方までぽつぽつ連なって 見える。決して緩い傾斜ではなく、下の隣家までは高低差が１０ｍはありそうである。確か静岡の森 林調査で、大井川や天竜川の上流部に入った時、そこでもこんな風景が見られた。しかしここ四国 では、殊更このような山間の急な斜面に、まるでへばりつくように建っている家が目につくのである 。「何ゆえに、かくも不便な場所で生活しているのだろうか？」と、こんな村を見るたびに驚いて考え 込んでしまう。