不知火海(熊本県宇城市) |
天草に渡る途中、宇城市から見た不知火海である。レンブラント光線に照らされたこの美しい海 を見て「ああ、不知火の海!」と感極まって叫んでしまった。日本の高度成長期、この海が水俣病の 元凶だと、天草生まれの作家石牟礼道子が「苦海浄土」で、東京大学で助手を務めていた宇井純 が学者の立場から鋭く告発して、その後の長い年月を経て解決の道筋ができた。当時俺は、遥か 遠いところからこの事件を見ていたが、この闘争に取り組んでいた畏友T君の情熱を眩しく眺めて いた当時を思い出すのである。 |