日本点景ー南九州地方                            

温泉神社(熊本県八代市日奈久)
 仕事で泊まった日奈久温泉の宿の風呂場に<市杵島 姫の命が六郎に お告げ給いし 湯
の里ひなぐ>と書かれた歌が貼ってあった。「はて?」と朝飯前の翌早朝、温泉街を見下ろす高台
にある神社を目指して高い石段を登って行った。そして、今から600年前、父の刀傷を癒そうと祈願
した孝行息子六郎の祈りを聞いて温泉の在処を教えた市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)を祭
神としたのが、石段正面の温泉神社。その脇には市杵島姫命が六郎に「この下を掘れ!」(と言った
かどうか?)と教えた「お告げの石」。傍らには「六郎神社」もあった。神社の石垣の上で眠っていたネ
コがうっすら目を開けて、「分かったかニャ~!」と鳴いた。