ヒノキの美林

森林調査の仕事を如何に能率的にこなすか、という観点から言うと、先ず第一にポイントまで出 来るだけ早く到達する、ということになる。その前提が、車で可能な限り山奥深くまで入り、そこから の歩行距離の短縮を図ることである。一般道から林道や私道へ、さらに道草の覆うオフロードへと分 け入って、ギリギリの限界まで車で走って、あとは徒歩でポイントを目指すことになる。調査地点によ っては、そこからさらに数時間の厳しい藪漕ぎ山行を強いられる場所もある。長くkさんと一緒に仕 事をさせていただいているが、ｋさんのポイントの探査感覚とオフロードの運転技術には全く舌を巻い てしまう。車一台がギリギリ通れる千尋の谷の山道だろうが、ズブズブとぬかるむ泥道だろうが、ｋさ んに任せておけば大安心なのである。そして南九州での森林調査のこの日、まさにポイントの目の 前に車で乗り入れて、見事なヒノキ林に降り立ち思わず深呼吸してしまった。