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俺の愛した黄土 |
![]() それで今日は、カミさんを誘って今年初めての黄土に入った。「自分が一番大事にしているものを、すぐ手にとってしまわないで、じっと我慢して温めておく」という俺の屈折した性格(貧乏性?)のなせる業で、黄土こそ遙か昔に、おやじやお袋と一緒に山菜採りをした思い出深いまさに原風景ともいえる大切な場所で、じっと今日まで満を持して山入りを我慢していたのである。それが昨日の水穴の大収穫で火が点いて、黄土行きを決心させたのである。 ![]() 黄土に足を踏み入れた途端、目を疑った。何という斜面の荒れようだろうか。跋扈蹂躙したかのような踏み痕で地肌剥き出しの道が縦横に走り、斜面のあちこちにスーパーの惣菜トレー、パンの空袋、ペットボトル、缶詰めの空き缶と散らかし放題である。激しい怒りを通り越して、居たたまれない悔しさと絶望的な悲しみで、殆ど泣き出しそうになった。自然を汚しただけではない。黄土という俺にとってはかけがえのない思い出の場所を汚し、俺が胸の奥にしまっていた大切な記憶を無理やり払拭するかのような行為に、すっかり傷つき落ち込んでしまったのである。 ![]() (2014年7月23日 記 「2014年5月16日日記<おやじ山の春2014(俺が愛した黄土)>」より一部修正して転載) |