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森の授業(長岡市立太田小学校の特別授業) 6月30日から降り始めた雨が日ごとに猛烈さを増して、7月3日には長岡に大雨洪水警報が発令された。そして昨4日は台風3号が九州長崎県に上陸して追い打ちをかけ、新潟県に土砂災害警戒情報が発表されるとともに、太田川沿いの宮内と摂田屋地区に避難警告が出された。既に降り始めから昨日までに270mm超の雨量となり、平年の7月1ヶ月分を優に超える雨量となった。 そして今日5日、太田小学校児童生徒への特別授業の日である。幸いにして雨は上がったがどんよりした曇り空で、日差しは無かった。 実は、当初の約束は一昨日の7月3日だったが、豪雨で小学校が臨時休校となり、今日がその予備日だった。俺に課せられた授業内容は、子ども達と一緒に猿倉岳のブナ林を歩いて、自然観察をしたり森の話を聞かせたりすることだった。 「大雨の直後で、再び授業は延期かなあ」と思っていた矢先、学校と連絡をとっていた中村氏より電話が入って、「教室での授業になりますが、よろしくお願いします」とのことである。室内講義の準備など全くしていなかったので、まさにぶっつけ本番の授業に駆けつけるはめになった。 ![]() 先ずは互いの自己紹介である。俺が最初に黒板に名前を書いて「山奥に住んでいますが、まだ仙人(千人)になれないので、皆からこう呼ばれています」と「百人さん」と書き添えて和ませ、子ども達も一人ひとり自分の名前と「好きな物」を紹介してくれた。 持参した小道具は、今朝の中村さんからの電話で慌てて作った「ススキバッタ」(子ども達へのお土産)と、小学校に向かう途中の道端に咲いていた「立葵」の長い花茎である。そして授業の冒頭で、赤い立葵の花弁の元を割いて自分の鼻に粘し付けて「コケコッコ~!」と啼いて見せた。遥か昔のガキの頃に、学校帰りの道草でこんな遊びに興じたものである。「やりたい人~!」と声を掛けると皆の手が上がった。諒君は鼻と顎に、さくらさんは可愛くこめかみの辺りに張り付け ![]() そして授業の最後に、女先生のオルガンの伴奏で、4人の子ども達と男先生、山之内教頭先生、そして俺も口真似で、全員揃って太田小学校校歌を元気に唄った。一緒に唄いながら熱いものが胸に込上げてきて思わず落涙しそうになった。 長岡市立太田小学校校歌 一 若草映ゆる 猿倉や 金倉はるか 仰ぎつつ 学びの道を はつらつと 希望に燃えて 進みゆく おお 夢あり 太田小学校 二 錦の鯉も あざやかに 太田の流れ 澄むほとり 歌声はずむ 学び舎に 楽しく集い 睦みゆく おお 幸あり 太田小学校 三 試練の雪も 踏み越えて 理想は薫る ふるさとの 明日をになう 身と心 たゆまず鍛え 育ちゆく おお 栄えあり 太田小学校 1時間の実に楽しい森の授業が終わった。そして「ススキバッタ」のお土産を置いて子ども達の教室を出た。まさに1対1、こんな優しい先生等に囲まれている太田小学校の子ども達を、本当に羨ましく思った。 ![]() (2017年7月5日「日記」から転載) (2017年7月19日 記) |