| 2026年3月7日(土)晴れ |
| 二人の友の訃報ーブランコが教えてくれるものー |
あの日から2週間が過ぎた。訃報を知らされた直後の悲嘆と絶望の淵からは、かろうじてよろよろ這い出たものの、いまだ深い悲しみの中で漂い続けている。
2週間前の今日(2月21日)、友人のNさんが亡くなった。この日Nさんと会って別れてから間もなくの全く突然の死だけに、いまだに信じられない思いである。その打撃の余りの強さに耐えかねて、共にNさんと親しかったSさんに直ぐにでも会いたくて、Sさんが入所している特養ホームに面会を申し入れた。手足が利かなくなって車椅子生活のSさんを悲しませてはと、Nさんの訃報は知らせずに、今はただSさんの顔を見て自身の心の平安を得たかったのだ。
何ということだろう!電話に出たスタッフはしばらく逡巡した後、「Sさんは2月19に亡くなりました」と告げた。Nさんの2日前(2月19日)に、既にSさんが亡くなっていた。
Sさんとの付き合いは、つい先月の日記(「2月11日」<Sさんが言った「夢のような日」>)に書いた通り、18年に及ぶ。正確には2008年5月4日にTさんたちと一緒におやじ山に来てからである。そしてNさんとは、16年の付き合いとなる。やはり2010年10月9日にTさんSさんらと一緒に初めておやじ山に来て、きのこ狩りを楽しみキャンプ場にテントを張って、大いに呑み、大いに歌を唄って、共に楽しみ共に喜んだ仲である。
今日の朝日新聞「be」に「浮遊する仕合わせ不思議な魅力」と題して「ブランコ」の話しが載っていた。その最後に、こう書かれて結ばれていた。
『ブランコはいろいろなことを教えてくれる。前に進めば、同じ分だけ後ろに下がる。それはあらゆることに通じているようにも思える。知った分だけ、わからなくなることもある。喜んだ分だけ悲しみも深くなる。成功もすれば失敗もするし、その逆もある。でも、いつも最後は元の場所に戻っている』
かけがえのない二人の友人を同時に亡くして、これほどの悲嘆と絶望感にさいなまれたことは長い人生の中でいままで無かった。長生きするとはこういう苦しみを背負うことなのか、とも思う。ブランコのように、最後は元の場所に戻ってくれるのだろうか。 |
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| 2026年3月17日(火)晴れ |
| 成り下がった日本を憂うー理想とは世界の節目を問う大きな視点 |
一人の男が傍若無人に世界をかき回している中で、日本政府は何も言えずに媚びへつらっている。いつの間にこんな日本に成り下がったのかと憂うばかりである。
アメリカのトランプは、確か大統領選の最中に「自分が大統領になったら24時間以内にウクライナ戦争を終わらせる」と豪語したはずだが、現状はどうだ? さらに昨年6月にはイランの核関連施設を空爆し、今年に入って、1月にはベネズエラに軍隊を送ってマドゥロ大統領を捕まえて自国に連れ去り、今度はまたイランへの先制攻撃と最高指導者の暗殺である。まさに一人で世界中に戦火を巻き起こし、あげくの果ては、ガソリン代の高騰など日本の俺たちにまで影響を与えている。 その上何と、今度はホルムズ海峡の船舶擁護で艦船の派遣を日本に求めて、自らの尻拭いを迫っている。
これらのバカげた振舞に、日本は即座に「ノー」をつきつけ、猛然と非難しないのか、全く不思議でしかたがない。
イランへの先制攻撃は、国連憲章や国際法の明らかな違反で、ホルムズ海峡への艦船派遣など、日本国憲法(第9条第1項には『日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する』)に照らせばできっこないことは、子どもでも分かることである。
日本の高市の言動をみていると、「国益のため」や「深慮遠謀の政治的判断」でグズグズしているというよりは、トランプの真似をしたくてうずうずしているように見える。自分の力で勝ち取った(と過信している)この国を、トランプのように自由に操り君臨したいかのようだ。
一方でスペインのサンチェス首相のように、堂々と「戦争反対」を述べてアメリカを真っ向から批判した国もある。バカなトランプは「スペインはひどい。すべての貿易を打ち切る」と怒ったが、まるでガキの言い分である。サンチェス首相はまた「戦争は一握りの人だけ得をするが、平和はすべての人を幸せにする」とも言った。俺はこういう人をトップに持つスペインという国が羨ましくて仕方がない。出来れば荷物をまとめて(パンツとシャツぐらいだけど・・・あとは日本酒か)さっさと日本を脱出し、スペインに移住したいくらいである。
今日の朝日新聞「折々のことば」で、鷲田清一氏が作家田中小実昌の随筆「如是閑と蘇峰」の次の言葉を紹介していた。
『世間では理想をかかげる者をバカにするけど、理想がなければニンゲンではない。』
そして筆者はこう結ぶ。
<理想とは空理ではなく、世界の節目を問う大きな視点のことなのだ>
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| 2026年3月18日(水)曇り |
| 句に見る戦争への不安ー転がる雪玉を砕かなければ |
高市が総理大臣になってからの不安が尽きない。殺傷能力のある武器輸出やスパイ防止法の制定、憲法9条の改憲など、日本列島が何やらきな臭くなってきた。自民が圧勝した総選挙で、高市が連呼した「日本列島を強く豊かに」は、トランプが言った「Make
America Graeat Again(米国を再び偉大に)」と同義で、強権的な手法や好戦的な雰囲気はいかにも相似たりである。
こんな戦争への不安は多くの国民が感じているようで、3月15日の朝日俳壇と歌壇には、以下のような句がかつてない多さで選に入っていた。そのうちの何句かである。
聖火消え戦火は消えず春愁う 荻原大空
戦後生れ戦前に逝かん梅白し 荻尾節子
オリンピックのドローンの羽音戦場に聞かねばならぬ兵士の恐怖 篠原俊則
太古にはアフリカにしかいなかったホモサピエンスの戦は止まぬ 椿 泰文
『歴史という流れには多くの場合、前触れがある。ナチスに抵抗した作家ケストナーが言っていた。「転がる雪玉を砕かなければなりません。雪崩れになってしまえばもはや誰にも止められはしないのです』(2026・2・27 天声人語より) |
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| 2026年3月22日(日)晴れ |
| シルバー人材の仕事を終えて |
1月中旬から今月17日まで、藤沢市シルバー人材センターから紹介された仕事を、ウィークデイの午前中だけ続けてきた。この間に、かけがえのない友人が亡くなって落ち込んでいたが、仕事に就いてる間だけはお陰で気が紛れた。
仕事は簡単な室内作業で、大きな倉庫の中で総勢30名ほどのアルバイトが午前9時から一斉に仕事に取りかかり、10時過ぎに指導者の「休憩!」の合図で20分間の休み。そして再び、午前後半の1時間半ほどの作業に入るという段取りだった。
総勢のうちシルバーは8人、あとは若いアルバイトの男女だった。シルバー連中は暖房のある休憩室が与えられて、男3人女5人のジジババが休憩時間になると、「ああ、草臥れた!」とこの部屋に入る。その中でOさんはなかなかユニークな女性で、休憩時間には一人で会話を盛り上げて場を和ませてくれていた。
倉庫の建屋には小さなトイレしかなく、休憩時間には女性トイレの前は列になる。それで隣の男性トイレの大便所を女性用に開放してあった。しかし若いアルバイト女性は男性が朝顔を使っているときは遠慮して入って来ないが、さすがシルバーの女性陣は堂々としたものだった。
俺が朝顔を使っているとき、脇の大便所がバタンと開いて女性が出て行った。俺の後ろを通り過ぎきわに、「見てないわよ」と声がした。Oさんの声である。思わず笑ってチビってしまった。
そして休憩室に戻ると、Oさんが例によって持参したお菓子を仲間に配っている。パックに入ったチョコレート菓子で、俺も目の前に差し出されたバックに「はい、アリガトさん」と手を伸ばしたら、すかさず「ちゃんと手洗った?」と来た。まるで幼稚園の子ども扱いである。
今月17日がこの事業の解散式で、全員が午前中だけで仕事を終えた。シルバーの8人も休憩室に戻って、お互いに「お世話になりました」「ありがとう。さようなら」と笑顔で挨拶を交わしたが、Oさんだけが泣いている。初めはOさん特有の冗談の嘘泣きだと思ったが、「さびしい、さびしい」と言いながらの本泣きと分かって、皆驚いてしまった。
僅か2ヶ月だったが、一期一会で救われた時間だった。
今日の高山れおな選の朝日俳壇から。昨日今日と、まったくポカポカ陽気の春の日よりだった。
ヴィヴァルディの四季総立ちの土筆(つくし)んぼ 大井みるく
選者の評に、『「四季」のうちの第一協奏曲「春」、「春」のうちアレグロの第一楽章の気分か。』とあった。
春近しヴィオラの甘きピチカート 染谷 幸一
「サン・サーンスの交響曲第三番でこれを聴いた。」との選者評。いずれも何とお洒落な・・・。
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