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おやじ山の初夏2022

2022年6月14日(火)曇り
義姉の葬儀を終えて再びおやじ山へ
 6月5日に仙台の義姉が亡くなり、通夜・告別式・納骨と慎ましやかな家族葬を済ませて、今日おやじ山に帰ってきた。義姉は90歳を超えた義母を伴って遙々仙台からおやじ山に訪ねて来てくれたこともあり、俺にとっては有り難い最高の理解者の一人だった。

 仙台からの帰りは、東北道~磐越道経由で長岡に向かったが、昨晩は磐越道の磐梯山SAで車中泊をし、今日は会津若松ICで降りて鶴ヶ城を一目見てから阿賀野川に沿って290号線を走った。そして五泉からは加茂に向かい、先日おやじ山倶楽部の仲間たちが舞茸のホダ木を買ったという「薬師まいたけ生産組合」の山崎組合長宅を訪ねた。
 突然の電話連絡にも拘わらず、庭先でご家族が出迎えてくれて、山崎氏からは舞茸ホダ木の熟成工場やホダ木が植付けしてある裏山を案内していただいた。

 午後4時、おやじ山に帰る。予想外に長い留守となってしまった。

磐梯山SAで車中泊      会津若松鶴ヶ城   薬師まいたけ生産組合のホダ木植込み場所 
2022年6月16日(木)曇り
おやじ山の初夏2022(舞茸ホダ木植込み場所作り)
 長く山を留守にしていたので、谷川からの引き水が止まっていた。昨日はおやじ沢に下りて受水口まで行き、バケツに溜まった泥を出して水を通した。おやじ池に谷川の引き水がパシャパシャ音をたてて落ち始めると、早速モリアオガエルが「コッコッコッ」と鳴き出した。そして今朝池を覗くと、新しい卵塊が2個できていた。5月13日頃から続いていたモリアオガエルの産卵も、そろそろ終わりかも知れない。

 今日はおやじ山倶楽部の仲間たち5人(後でK子さんが来たので合計6人か)が集まり、おやじ小屋と風の小屋の間の草地の手入れをした。舞茸ホダ木の植込み場所にするためである。刈払機で草刈りをした後、長年堆積したままの杉の枯れ枝葉を取り除き、コナラの丸太で矩形に囲うと立派な養生場所が出来た。まだホダ木の植込みもこれからなのに、「秋になって、ここにマイタケがモソモソ生えると思うと、嬉しいね」と言うと、すかさずNさんから、「まあ、生えてからの話だよね」と水を差された。どうも俺は過剰に期待する(夢見る?)質で、後で臍を噛むというか、泣きを見るのである。


舞茸のホダ木(合計30個)   ホダ木の植込み場所の整地             Nさん特製の梅ジュース
2022年6月22日(水)晴れ(夏日となる)
おやじ山の初夏(おやじ山の花々・生き物たち)
 ここ数日来、長岡市街は30度近い日が続いているようで、ここおやじ山でも25度前後と蒸し暑い毎日で、参ってしまう。それで山仕事は午前の早いうちに済ませてしまって、日中は身体を休めてのんびり過ごすことにしている。

 今日は4時半に起きて、先ずはラジオを聞きながらコーヒー一杯。そして朝飯前の作業に出る。おやじ山の入口からミョウガ畑までの草刈りを終えて朝食。それから広葉樹の森の半分ほどの斜面に刈払機を入れた。午前9時で終了。それでも汗びっしょりになってしまった。

 昼少し前にKさんが山にやってきた。おやじ池の周りで今が盛りと咲き誇っているコシジシモツケソウの写真を撮りにきたという。そしていつも通りに、2ℓのペット氷とスマホの充電器、さらに今日は昼食の冷やしうどんの差し入れまで持って来てくれた。全く大助かりで、感謝、感謝である。

 おやじ山では今、池周りではオオバギボウシの白花がシモツケソウのピンクと競うように咲き、池端ではモリアオガエルの真新しい卵塊が白く光っている。おやじ池のすぐ上に湧き水が溜まった小池があるが、ここにもアズマヒキガエルが卵を産んで、膨大な数のオタマジャクシが池一杯に泳いでいる。これを狙ってヒバカリ(ヘビ)が池に入って、飲み込み放題の傍若無人ぶりを発揮するものだから、恐る恐る覗き込むたびに野卑に太大きく育って、もう気持ち悪いったらない。(だったら見なければいいんだけど・・・)

 コシジシモツケソウ    オオバギボウシ  遠くにモリアオガエル卵塊、分かる? ヒバカリ(健介さん撮影)
 19日に山回りをした時には、コシノカンアオイ群生地に産み付けられたギフチョウの卵が、立派な5齢(終齢)の幼虫に育って、いよいよ蛹化する直前に思われた。おやじ山の道端ではイチヤクソウが花を付け、今日は干していた汗で塩の吹いた作業手袋に美しいヒオドシチョウが止まった。
 野生の気配が一段と濃くなったおやじ山に「ああ、夏が来た」と実感した一日だった。

 
イチヤクソウ       ギフチョウの幼虫(5齢)              ヒオドシチョウ
 
2022年6月24日(金)晴れ、猛暑日となる
おやじ山の初夏2022(舞茸ホダ木の植込み-第1回)
 第1回目の舞茸ホダ木の植込み作業をやった。場所は先日整地したおやじ小屋と風の小屋の間の杉林で、ホダ木10個を植込んだ。

 ラジオの天気予報が「今日の長岡地方は35℃の猛暑日」と報じる中、午前10時、Sさん、Nさん、Kさん、Yさん、Hさんのいつもの仲間5人が元気にやってきた。以下写真通りの手順で午前中には植込み作業を完了した。
(写真は健介さん撮影)
 またまた、「秋になって、マイタケがいっぱい生えてくると思うと、凄~く楽しみだねえ」と言うと、「まあ、出てからの話だいね」などと、皆で賑やかな昼食時を過ごして、午後1時過ぎに解散した。



 袋に入ったホダ木を取り出す    ホダ木の苗床に10個くっつけて並べる。袋に残った水を掛ける(忘れずに)

 ホダ木の上(ホダ木間にも)に土を被せる(3㎝の厚さ)     更に落ち葉(ブナの枯葉)を被せる(3㎝の厚さ)

 全体を遮光ネットで覆う                    完成!(秋が楽しみです!)

蛹化間近のギフチョウの幼虫(6/24)
2022年6月25日(土)猛暑、熱中症警戒アラート発令
おやじ山の初夏2022(ホダ木追加と囲炉裏の底上げ)
 今朝、と言うより夜中の1時頃、猛烈な雨が降った。ウトウトしながらも何やら清々しい気持ちで雨音を聞く。猛暑続きの中で慈雨である。

 朝のラジオが今日も全国的な猛暑(何と!群馬県前橋では40℃の予報)だと報じている。長岡に熱中症警戒アラート(こんな変な言葉、誰が作ったんだろう)が出た。

 昨日は仲間たちと一緒に舞茸ホダ木を10個植え込みしたが、本当は12個の予定だったと気付いた。それで今日の午前中は遮光ネットを外して2個追加で植込みし、ついでに次の植込み場所(風の小屋の東斜面)の整備もした。

 昼はソーメンを茹でて食べ、午後は風の小屋で横になって過ごす。(何しろ熱中症警戒アラート発令中なので)

 夕方はむっくり起きて、囲炉裏の中にコンクリートブロックを入れて底上げする。何しろ我が小屋の囲炉裏は、薪をボンボン燃やして焚き火する分には十分な深さで安全なのだが、この中で熾火や炭で料理するとなると、頭を深く突っ込む格好になって転げ落ちそうになる。野口英世の幼少時代みたいになって大やけどしたら大変だし、いつぞやは炉縁に立てたろうそくの火(夜の灯りはランプとろうそくなので)で髪の毛をジリジリ焼いたこともある。重いブロックを入れるのは大変だったけど、底上げして灰を戻したら、「ウ~ン、なかなか具合が良さそう」である。
2022年6月26日(日)曇り時々晴れ
おやじ山の初夏2022(杉伐倒)
 今日も又暑くなりそうである。長岡の予報が30℃だという。午前中Tさんが来てペット氷とカット果物を差し入れてくれた。ありがたい!

 午後、カタクリの丘の東側に生えている根元径が40㎝程の杉を伐倒した。冬場の薪にするためである。重心が倒す方向とは逆で、楔を4個打って作業したが、ちょっと手間取って苦労した。後は玉伐りと薪割りだが、後日にする。

 汗びっしょりになって、ドラム缶の水風呂に入る。「冷(しゃっ)こくて、気持ちいい~~!」


2022年6月29日(水)晴れ、猛暑日
おやじ山の初夏(第2回舞茸植込み・おやじ山倶楽部総会・安全講習)
 今日は第2回目の舞茸の植込み日で、新潟からK兄も来ることになっている。K兄はおやじ山倶楽部の仲間と一緒に、加茂のまいたけ生産組合に見学に行き、自分用にとホダ木10個買っていた。それで今日は合計20個のホダ木を皆で植込むことにしていた。
 さらにK兄が新潟から来るし、長岡の仲間達も集まるので、懸案だったおやじ山倶楽部の総会と安全講習会を同時に今日やってしまおうと事務局のKさんと話し合っていた。(俺はKさんにおんぶに抱っこで、さぞかしKさんは準備と資料作りで大変だったと思う)

 皆が集まったところで、午前10時過ぎから舞茸の植込みが始まった。場所は風の小屋東斜面に床を作った2カ所である。(今後は「舞茸斜面」と呼ぶことにする。まだ、キノコも発生してないんだけど・・・) 1カ所目は斜面のほぼ中央に10個植込み、2カ所目は左斜面の裾側で、昨年立派な天然舞茸が生えた近くに9個を(1個青カビが生えて除去した)、皆でワイワイ言いながら昼前には作業を完了した。

            
舞茸斜面 中央植込み

             
舞茸斜面 左裾側植込み
 昼食後は、「越後長岡おやじ山倶楽部」の年1回の総会である。Kさんが準備してくれたR3年度決算書、R4年度予算案及び活動計画(案)が万雷の拍手のもと、満場一致で承認された。(合計7人の参加者だったけど)
(写真左)
 その後、これまたKさんが作成してくれた「安全講習のしおり」に沿って、刈払い機の実演安全講習をした。(ここでY子さんが街での仕事を終えて息せき切って駆けつけ、本日最後の行事に飛び入り参加した。でも山に着いてもしばらくは息が上がって、バタンと斜面に大の字になって倒れていた。何しろ今日も30℃を超える暑さだった)
(写真右)

 午後3時、今日の盛り沢山のメニューが無事終了した。全くKさんのお陰である。
2022年6月30日(木)晴れ、猛暑日
おやじ山の初夏2022(ホタル発生)
 朝6時前に山を下りて、鋸山登山口で2リットルのペットボトル18本と4リットルタンク2個に湧き水を汲む。何度もお世話になっているこの清水は良質でおいしく、最高の飲料水である。まさに越後長岡の隠れた名水と言ってよい。汲み終わってペットボトルを車に積み入れ、最後に蕩々と流れ出る清冽な湧き水で顔を洗い、手で受けてゴクゴクと飲み、折しもカーラジオから流れてきたラジオ体操の音楽に合わせて伸び伸びと身体を動かす。実に爽やかなり。

 しかしこれをおやじ山まで運ぶのは、誠に大変である。見晴らし広場からおやじ山までの約500メートルの山径を一輪車に乗せて運ぶのだが、44Kgの水を両腕でバランス取りながら運転するのには相当の体力と経験とを要した。

 今日は加茂の薬師まいたけ生産組合長の山崎氏に電話して、舞茸植込み完了の報告と2,3の質問をした。水やりの時期と頻度、遮光ネットの効用などである。(水やりは「やらない」。被せていた遮光ネットは8月中旬以降は宙に持ち上げて張る、が結論だった) そして最後に、「今年からマイタケ出ますかね?」と尋ねると、「それは、皆さんの心がけ次第です」との返答だった。「はッ」と胸に手を当ててみたが、いささか不安が無いわけではない・・・。

 夜8時半(普段はこの時間、既に寝ているのだが)、風の小屋の窓から外を見ると、待望のホタルが舞っていた。4頭・・・5頭・・・嬉しかった。