コロナ第7波と記録的な猛暑に見舞われた今年の夏に一息ついたのが、やはり白露を迎えた9月8日頃からでした。気温が18℃位まで下がり、専用道脇の松林に、シーズン最初のきのこ「キンロク」(正式名はニンギョウタケ)が顔を出し、おやじ山のミョウガ畑に自慢の秋ミョウガが出始めました。ホダ木の秋シイタケもポツポツ出始めて、いそいそと飛騨コンロに炭を熾しては採りたてのキノコを焼いては酒の肴にする嬉しい日が続きました。
9月10日の中秋の名月は忘れることができません。この日もぐっすり寝込んでいたはずでしたが、風の小屋の窓から差し込む月明かりに起こされ外に出ると、煌々とした満月が昼と見まがうほどに辺りを照らし、小屋向かいの山菜山の草木の葉っぱが、斜面いっぱいにピカピカと光り輝いていました。
9月20日に台風14号が新潟県に上陸しました。各地に甚大な被害をもたらした大型台風でしたが、不思議と新潟県での被害はありませんでした。(前日に健介さんが山に来て、あれこれと細かな台風対策をしてくれました)むしろ台風のお陰で久々の良雨と冷涼な空気を運んでくれました。そして翌21日には気温が一気に12℃まで下がり、秋の季節が到来しました。加茂のまいたけ生産組合長の山崎さんから「気温が下がって、そろそろマイタケ発生しますよ」と電話を頂いたのはこの二日後です。
10月2日(日)に恒例の猿倉岳トレッキングイベントが開催され、神奈川からKさんNさんが応援にきてくれて、地元のSさん、Yさん、そして自分の5人で参加者90人(一般市民60人、太田小中学校生徒・父兄30人)のリーダーを務めました。
おやじ山の麓長岡市営スキー場で野外音楽コンサート「米百俵フェス」開催中の10月9日に、おやじ山マイタケ収穫祭を企画しました。春に植付けたマイタケホダ木の床に幼菌が発生してから連日(1日4回も5回も6回も)植付け場所の見回りをして成長具合をチェックする日が続き、早く収穫してケリをつけたかったのですが、集まった仲間から「収穫、まだ早いんじゃないの~?」「もっと大きくなるんじゃないの~?」とダメ出しがあって、その後も悩ましい毎日が続きました。
マイタケの収穫は10月12日から始まり17日までに合計10株採れました。最大の株は直径22センチありました。全て私と長岡の皆さんで食べてしまいましたが、まさに天然マイタケの味で実に美味しかったです。(神奈川、東京のおやじ山会員の皆さんにはスミマセン。どうか来年ご期待下さい)植付けたホダ
木から7年間収穫できるというので毎年が楽しみ(悩ましい?)です。
10月19日には皆できのこ狩りをしました。ジカボウ(ヌメリイグチ)、アマンダレ(ナラタケ)、カタビラ(スギヒラタケ)、ウラベニホテイシメジ、それにホダ木のシイタケなどの収穫がありました。しかし今年はキノコの不作年で、アミタケ、アマンダレなどポピュラーな地のキノコの発生が極端に少なかったようです。例年おやじ山会員の皆さんにお届けするナメコ収量もごく少なく、今年は残念ながら発送出来ませんでした。ごめんなさい。
10月28日はこの季節一番の秋晴れでしたが、一転、翌29日には氷雨が降り、この日からおやじ山が一気に秋の色に染まりました。そして日を追う毎に秋色が深まり、11月3日には紅葉のピークを迎えて、まさに錦繍の山風景となりました。ヤマモミジ・ヤマウルシの赤、ヤマノイモ・アオハダの黄、ブナの茶黄、ミツバアケビの紫、オオバクロモジのレモンイエロー、ウリハダカエデやミヤマガマズミのグラデーションと混色の美しさ。まったく自然界が織りなす美の競演にすっかり目と心を奪われてしまいました。
11月3日の夜から冷たい雨が降りました。この日を境におやじ山が冬に向かったと感じました。手伝いに来たカミさんと二人で冬じまいの支度を始めたのもこの頃からでした。そして7日の下山日を迎えたのです。
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