最後のページは<9月30日おやじ山の秋2021(2ページ目「9月24日日記」より)

2021年9月13日(月)晴れ
「森のパンセ」を読んで、の御礼
 9月5日にアップした「森のパンセ119」(おやじの手紙)を読んでいただいた多くの方々から、様々な感想が寄せられた。その一文一文を読みながら本当にありがたく、心から感謝申し上げます。
 以下に皆さんから寄せられた感想の一部を(全文ではなくて申し訳ありません。だからご本人様の要旨とは若干異なった部分を引用してしまったかも知れませんが)ご紹介して改めての御礼といたします。

『手紙形式で書かれた短編小説を読んでいるようで、これを読んだら、夫婦と子ども三人の家族の全体像が分かるでしょう。「静かな元旦に、お母さんと共に」に、涙しました。』

『胸が熱くなりました。「森のパンセ」を拝読して改めて家族、親戚、友人等が幸せを与えてくれる存在だと再認識しました。』

『お母様を失ったお父様の思い、関さんご兄弟に対する思いが痛いように伝わってきて、本当に胸が熱くなります。幸せは、・・・今ここにこそあるもの。ついつい忘れがちですが、あらためて肝に銘じさせていただきました。』

『「おやじの手紙」は親のありがたさを身にしみて感じました。この一週間は、我が身の回りにも強烈で悲しいいろいろの人生を知りました。自分はどうあるべきかを考えさせられました。』

『何回も手紙、読み返しました。越後の人の実直さが滲み出ている文章でとても惹かれました。60年近く前に書かれたものですのに、人の真摯な生き方は普遍であり、ご家族への愛情溢れる素晴らしい内容に、心に深く刺さりました。私も同じ越後の人間としてこれからの指針にさせていただきたく思いました。』

『いま、いろいろ考えていて、頭に残っている昔の楽しい事、嫌だった事など思い出しています。そして、幸せのハードルをぐっと下げていこうと考えています。』

みなさま、ありがとうございました。


 朝晩は少し肌寒かったり、近所の公園のソメイヨシノの葉がはらはらと枯れ落ちたりと、秋の気配が感じられる今日この頃です。以下、昨日の朝日俳壇から。

(稲畑汀子選)
 秋立つや安堵もあれば淋しさも (米子市 中村襄介)

(大串 章選)
 かなかなの夕日に声を溶かしけり (筑西市 加田 怜)

そして3首目は、
(長谷川櫂選)
 障がいの子と盆の旅十二年 (岩見沢市 村岸 基量)

 3首目の選者の評には「人生で何が大事なのか、気づかせてくれる一句。(コロナで)混乱の時代に。」とあった。

おやじ山の秋2021

2021年9月24日(金)曇り時々激しい雨
山入の日(おやじ山に舞茸発生)
 昨23日午後に藤沢の自宅を出発して、昨晩は車中泊、そして今日の朝におやじ山に入った。
随分久しぶりのおやじ山で、ブナ平分岐からおやじ山専用道に入って、早速キンロク(正式名はニンギョウタケ)を採取したりして、おやじ小屋を見たときには、あまりの懐かしさで涙ぐむような感じだった。
 「ただいま~!」と声を出して挨拶して、先ずおやじ小屋のドアを開けた。3ヶ月も閉めきったままの小屋はさすがにかび臭く、窓を開けて空気を入れる。そして風の小屋の向かった。
 ここでも「ただいまあ~!」と挨拶して、先ず締め切っていた窓を開け、更に奥のステンドグラスの開き戸を開けた。すると・・・「何だ!」と思わず大声が出た。窓から僅か5メートルほど先の地面に立派なキノコの大株が見えるではないか。「これは大変だ!」とまた叫んで、急いで外に出てキノコに突進したのである。「これは、舞茸ではないか!」大きな株が2つ、その下に小さいが立派な舞茸が3株、合計5株の舞茸が生えていた。

 「困ったことになった」と思った。コロナ禍でうっとうしい神奈川を離れて、浮世離れしたおやじ山で心静かに過ごそうと思ってた矢先に、この舞茸に出会ってしまった。殆ど仙人(千人)になりかけていた心境が、一気に「百人」に戻ってしまった。「舞茸のバカヤロ~!」
2021年9月26日(日)曇り
舞茸の収穫祭
 舞茸の発生を事前に連絡していたこともあり、朝早く新潟から次兄が来た。舞茸現場を見て「おお~!」と呻いて、2匹目のドジョウを探しにいそいそとブナ平尾根の方に登って行った。続いてYさんが栃尾の新米とビールの差し入れ持参で、更に日赤町のSさんご夫婦が昼ご飯のご馳走を持って山に来てくれた。久々の奥さんの来山は、嬉しかった。

 昼には兄も「何~も生えて無かった・・・」とうな垂れて戻り、全員揃っての舞茸の収穫と相成った。入れ替わり立ち替わりの記念撮影で、こんな賑やかなキノコ採りははじめてである。やはり舞茸の発見は、名前通りに人を舞い踊らせるらしい。

 収穫した舞茸は、今日来られなかった仲間の分も小分けして、皆さんにお土産で持ち帰ってもらった。

2021年9月28日(火)晴れ
猿倉岳トレッキングの下見
 来る10月3日(日)に実施される「猿倉緑の森の会主催」(蓬平温泉旅館後援)の長岡市民猿倉岳トレッキングの下見で、おやじ山仲間のKさん、Yさんと3人で登山ルートを歩いた。毎年このイベントのリーダを任されていた俺のサポート役で、KさんとYさんにも参加者の案内をお願いしていたからである。

 幸いにして絶好の登山日和となった。高坂ルートを登って約80分で萱峠の展望台に着いた。左方に守門岳、浅草岳、正面に八海山、中ノ岳、越後駒ヶ岳の越後三山、そして右方に巻機山や上越国境の連山がパノラマ視されて、眼下の山古志種苧原の田園風景とともに素晴らしい眺望を楽しんだ。

 展望台からさらに猿倉頂上まで歩き、ここで弥彦と角田山を見ながら昼食。最後は福引屋の温泉で汗を流して帰途についた。
2021年9月30日(木)晴れ
一攫千金?狙い
 おやじ山を「マイタケ山」にすることにした。一攫千金を狙うのである。(これだからなかなか仙人(千人)の域には到達できず、せいぜい百人か十人止まりなのである)
 それでKさん、Yさんが来たのを幸いに、舞茸現場のすぐ上の斜面に生えているミズナラを伐倒してホダ木にし、生えていた場所に添い寝で並べてマイタケ菌を移植する計画を立てた。そう簡単に植菌できるとは思わないが、もしかして数年後に、最高級キノコの天然舞茸がにょきにょき発生している姿を想像するだけでもぞくぞくし、やってみる価値はありそうである。

 勇躍、チェーンソーを持って立木に向かいエンジン音も高らかに1本を伐り倒した。更に玉伐り、運搬と3人で働いて、午後2時に舞茸の菌床を完成させた。
 さて数年後に、舞茸の大株がここにずらりと生えた風景が果して見られるだろうか?何とも楽しみである。