2021年2月14日(日)曇り |
おでん |
コロナでほとんど家に閉じ籠もっている。それで毎日家で何をしているかというと、断捨離である。遅まきながら終活の準備、といってもいい。
一番の難題は膨大な本や雑誌の整理と廃棄である。「ああ、こんな本を読んだ時代があったんだなあ~」としみじみ手に取って感慨に耽り出すときりがない。部屋中散らかったままで、「あ!もう晩酌の時間だ」と相成るのである。
その中で年に何回か、あるカード会社から届く雑誌が押し入れの段ボール箱から出てきた。毎号面白く読んでいた記事が、かつて銀座にあった名料理店「わたき」で若き日に修行した鈴木正夫氏の料理シリーズ「娘に贈る日本の味」である。
春の筍土佐煮、筍ご飯。夏の冷や奴、大観漬け。秋の茶碗蒸し。冬のおでん。等々、氏が「わたき」修業時代のエピソードを交えて伝授する、料理マニュアルである。
先日、「俺も久々に料理でも作ってみるか」と、氏のマニュアル通りにおでんを作ったところ、せせら笑っていたカミさんもビックリの絶品料理が出来上がった。
しかし案の定というか、男料理の浅はかさで、どっさり残って連日の煮返しおでんに辟易してしまった。
それで、今朝の朝日俳壇から
煮返しのおでんのごとく老いにけり (みよし市 稻垣 長)
そして、選者高山れおな氏の選評がまた良かった。『稻垣さん。しかし、必ずしも不味(まず)いわけではない。』
そうである!この短選評で読者の俺まで勇気づけられた。煮返しのおでんの如く、不屈に、そし
て味のある老人たりたいと・・・(でも、煮崩れちゃったりして)
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