最後のページは<12月11日

2021年12月11日(土)晴れ
愛おしむ旅
 先月11日におやじ山を下ってから早1ヶ月が経った。この間にKさんとペアで恒例の森林調査の仕事が始まった。

 今年度の仕事のスタートは、11月23日からの岩手と宮城県の山々を巡る調査。2回目は今月3日から6日まで、福島、茨城、栃木の山々を回った。
(右写真:茨城県大子町の袋田の滝) 
 思い起こせば、この仕事に就いたのが2008年1月25日からの山梨県奥秩父山塊の森林調査からだった。それから今月6日まで通算した全国各地への出張合計は「467日間」となり、調査した森林の数は「630カ所」となった。そしてこの14年間に踏破した都府県数は40都府県。もちろん殆どの県に何度も足を運んでの仕事だった。
 この14年間続いた国の事業も、今年度が最後である。そして長く続いた全国を巡る俺の山旅も、来年1月を最後に幕を閉じることになる。
 
 この間を振り返ると、最初の数年間は主任調査員の後について必死に山を歩き回っているだけで(自分は補助員)、旅情も何もあったものでは無かった。しかし次第に仕事に慣れ、何よりもKさんとペアになってからは、Kさんのお陰で出張が楽しみになった。名所の名は無くとも全国津々浦々に名所に勝るとも劣らぬ素晴らしい風景や歴史が存在し、類いまれな人物と伝統の貴重な存在や姿を目にする事ができた。

 そして先月からスタートした俺にとっては多分人生最後の山旅は、やはり一日一日を愛おしむような大事な旅に思えた。
 岩手、宮城の山旅の最終日。仙台駅での解散後に、長く疎遠になっていた義兄を特養ホームの入所先に訪ねた。コロナ感染防止対策で僅か10分ほどの面会だったが、ボロボロと嬉し涙を流し続ける義兄の肩をたださすりながら、一つの宿題を済ませたような気持ちにもなった。
 今月3日からの旅は、東電福島第一原発近くの富岡町がスタートだった。そして富岡町のホテル近くにある「東京電力廃炉資料館」にも立ち寄れたことは、今回の旅での貴重な収穫となった。

 次の出張オファーが、今日Kさんからあった。また愛おしむ旅になりますように。

写真奥が福島第二原発(富岡町) 東電廃炉資料館   燃料棒の模型   廃炉中の原発建屋(映像)