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2017年11月7日(火)晴れ
おやじ山の秋2017(プロローグ)
 一昨日(11月5日)の夜、この秋の68日間の山暮らしを終えて藤沢の自宅に戻った。8月29日におやじ小屋入りしてから、9月中旬に台風18号、そして10月22日の台風21号とその一週間後の22号、滞在期間中に3つの台風が日本列島を襲ってあたふたと防御に振り回され、他の日であっても殆どが雨模様の憂鬱な毎日だった。

 更に実家の兄がお盆の頃に体調を崩し、兄嫁と交代で辛い介護に当たったが、無念、10月6日に病院で息を引き取った。葬儀の手配から通夜、告別式と疲労困憊の体で山に帰ったが、何やら心にポッカリ穴が開いたような空虚な気分で、ぼんやり兄と病室で過ごしたあれこれを思い出しては沈み込んでいた。

 音楽好きの兄は病室にタブレット端末を持ち込み、YouTubeで懐かしの映画音楽やクラシック音楽を聴いていた。もちろん既に重篤な病状で、闘病の苦しみから少しでも逃れようと、思い出すままに曲名や映画の題名、作曲家や指揮者の名前を俺に伝えて端末の操作を命ずるのである。息も絶え絶えという状態で、よくもこれほど正確に記憶を呼び戻せるものかと驚いてしまったが、兄の音楽に関する知識の豊富さには今更ながら感心してしまった。

 台風一過のその日は秋晴れの好天となり、5階の病室の窓からは真っ青な空にぽっかりと白い雲が浮かんでいた。窓辺から覗くと、黄金色に色づいた広い稲田の向うに弥彦山がくっきりと望まれ、外の手すりには、山から下りてきた赤トンボが止まっていた。
 そんな久々に穏やかな時間の中で、兄がリクエストしたカーペンターズの「イエスタディ・ワンス・モア」を二人で聴いていた。
 そしていつの間にか涙が止めどなく流れ出して、兄に気付かれないようにそっと目を拭うのだった。

When I was young
I'd listen to the radio
Waitin' for my favorite songs
When they played I'd sing along
It made me smile.

幼かった頃、
ラジオを聞いていた
大好きな曲を待ちながら
その曲が流れたら、一緒に歌って、
笑っていたの

♪Those were such happy times
And not so long ago
How I wondered where they'd gone
But they're back again
Just like a long lost friend
All the songs I loved so well.

とても幸せなときだった
遠い昔じゃないけど
どこに行ってしまったんだろうと思う
でも戻ってきた
古くからの友人のように
私の大好きな歌が

Every Sha-la-la-la
Every Wo-o-wo-o
Still shines
Every shing-a-ling-a-ling
That they're startin' to sing's
So fine.

どの「シャラララ」も
どの「ウォウウォウ」も
今も輝いてる
いつもの「シングアリング」も
歌い始めると
とても良いの


♪ ・・・ ・・ ・
・・・ ・・ ・・ ・

兄貴~~! 兄ちゃん~~!!
(合掌)