先月末、神奈川の森林調査から帰ってバタバタと忙しい日が続いた。翌日から2日程ある用件を済ませ、3月3日(月)からは(変な話だけど)辞めさせてもらうために農園のアルバイトに出かけた。そして5日まで働いてN農園を辞めた(クビになった?)。神奈川に引き続いて明日9日から16日までの8日間、今度は静岡県の森林調査の仕事をいただいたからである。農園は冬場の「花」から春の「野菜」に切り替わって繁忙期に突入しており、こんな時にまたまた「あのお〜」などと長期休暇の申し出などとてもできず、ローテーションの切れ目で辞めることにした。そして2日前から今までの宿題やら静岡出張の準備やらをやって何とか一段落ついた。
そして今日、1月からのロードショーも終わりに近づいている山田洋次監督の「母べえ」を観にいった。映画館など一年に1度行くか行かないか程度なのだが、この作品だけは何としても観ておきたかった。
ストーリーは日中戦争下の昭和15年から始まる。ドイツ文学者の「父べえ」が治安維持法違反で思想犯として逮捕収監されて居なくなった一家族が、「母べえ」を中心に姉妹の「初べえ」「照べえ」と3人で戦時下を生きていく物語である。そして翌昭和16年12月、日本は米英開戦へと突入し「母べえ」家族に「父べえ」の獄死が伝えられる。終戦となって時は移り、妹の「照べえ」も結婚して絵画教師となって学校で生徒を教えているところに、照べえの息子から「母べえ」危篤の電話が入る。「母べえ」の入院先は医者となった「初べえ」の勤める病院である。病院に駆けつけた「照べえ」が「母べえ」の枕元で言う。「母べえ、頑張ったね。もうすぐあの世で父べえと会えるね」 母べえが微かに口を動かす。「え?なに?・・・」そして照べえが号泣するのである。医者の初べえが「母べえ、何と言ったの?」と照べえに尋ねる。「母べえ、あの世でなんか会いたくないって。生きて父べえとこの世で会いたかったって・・・」
明日からは静岡の森林調査である。
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