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2016年春

冬の雪融けから春へと季節が移り変わる早春の時期が、私は一番好きだ。雪に閉じ込められた冬の暗さに春の光りが差し込み、次第に開放されて行くような歓喜がある。そしてこの時期は、日一日と変わる季節の移ろいをビビッドに肌身で感じ取ることができる。 　近年まれな暖冬小雪で迎えた2016年の早春は、まさにあっという間だった。3月13日の山入り日には、それでも40ｃｍほどあった積雪が、3月31日にすっかり消えて、翌4月1日には、初夏のような日差しがおやじ山に降り注いで突然春になった。まさに「山笑う」季節のスタートである。 　例年より2週間早く初蝶を見たギフチョウ、カタクリも昨年より10日以上も早く、4月6日には満開となった。 　そして、おやじ小屋向かいのカスミザクラの大木は、昨年よりは1週間以上も早い、4月16日から20日にかけて絢爛と咲き誇った。