きのこ -森の小人たち-
        ハナホウキタケ(毒)  ホウキタケ科
 ガキの頃は何十回このきのこに当たったことか。昔、きのこ採り名人のおやじまでが食毒の判別を誤るほどホウキタケの仲間には手こずらされた。きのこを前に考え込んでいるおやじに対し、お袋が「銅線を入れて一緒に煮て、銅線が青くなれば駄目だ」などと、今考えればとんでもない迷信を持ち出して実験し、そして家族中で腹ッピリを起こして苦しんだ。食料難の時代で、お袋にとってみれば「少しでも食べられる可能性があれば何でも食ってしまおう」という、言わば決死の料理作りだったのだろう。しかし、銅線を入れて変色するほどのきのことは、硫酸や砒素などを含む猛毒中の猛毒きのこだろう。こんなきのこがあったら見てみたい。
食べ方
 毒。食茸の「ホウキタケ」(郷里長岡では「ネズミタケ」(傘の先がネズミの足先に似ているから)と呼んだ)との判別に迷ったら、迷わず捨てることである。
<毒キノコ悩むを杖で打ちにけり>(秋元不死男)


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